鈴木邦成の「物流の視点」

日本不動産学会賞授賞 2

2017年11月30日

ご存知のように近年、不動産業界の物流施設に対する関心が大きく高まり、アマゾンなどの巨大物流センターの相次ぐ開設、IoT(物のインターネット)やビッグデータなどと物流施設とのリンクなどに大きな注目が集まっています。


拙著『すぐわかる物流不動産:倉庫から物流センターへと進化したサプライチェーンの司令塔』では、経営戦略にサプライチェーンなどの物流が重要な位置を占めていることを踏まえ、物流施設を不動産ととらえ、巨大物流センターの立地や機能、内部オペレーションの進化や情報化の動きを解説するとともに、その評価指標を設定して特徴づけが行われています。


さらに、これから最新の巨大物流センターの動向が既存の倉庫業に変化を促し、どのように新しい不動産ビジネスが生成、展開されてきたかを物流不動産ビジネスの定義を与えるとともに解説した意義ある実務書となっています。


こうした点が、日本不動産学会賞著作賞(実務部門)授与にふさわしいものと評価できるとされました。

日本不動産学会賞授賞のお知らせ

2017年11月29日

2017年11月25日、文科省学術団体の公益社団法人日本不動産学会(三井康壽会長)より、日本不動産学会賞(著作賞)を授賞いたしましたので、ご報告いたします。


授賞式は大阪商業大学で行われました、


対象作は、『すぐわかる物流不動産:倉庫から物流センターへと進化したサプライチェーンの司令塔』(鈴木邦成・大谷巌一共著、白桃書房、2016年4月刊)です。


不動産の視点から物流施設を扱う物流不動産についてこれまでの流れ、現況、そして将来への展望を実務事例を踏まえて紹介、解説した点などが高く評価されました。


不動産業界では物流施設、物流不動産に対する関心がホットテーマとして捉えられておりまして、表彰式後の懇親会やセッションの合間などにも多くの質問を受けました。


私にとっては望外の喜びとなりますが、本ブログ読者の皆様のご支援あってのことで、感謝の気持ちでいっぱいです。


これを機にさらに物流・ロジスティクス領域の研究を進めていきたいと思います。

トコトンやさしい小売・流通の本

2017年10月30日

拙著『トコトンやさしい流通の本』(鈴木邦成著、日刊工業新聞社)が刊行されました。


流通とは「モノをつくること」と「物を使うこと」をつなぐ経済活動のことです。工場などでつくられたモノを私たちがすぐに消費することはできません。


工場などでつくられたモノは市場を経由して私たちの手元に届きます。専門的にいうと、生産活動と消費活動を結ぶ一連の諸活動を流通といっています。


流通業は大きく、卸売業と小売業に分けることができますが、本書では近年、その重要性が大きく高まっている小売業の役割に焦点を合わせて、流通のしくみを理解できるように構成しました。


もちろん、卸売業も流通プロセスで重要な役割を担っているので必要に応じて取り上げて解説しています。さらにいえば製造業などのモノをつくる側も「どのような流通ルートでモノを売っていくか」ということを念頭に商品を開発し、価格を設定していくから流通の「舞台設定」には欠かせない存在です。


本書ではこうした流通の歴史、しくみ、理論、戦略、業界の動向などをわかりやすく解説していきます。


第1章では流通の基本をわかりやすく紹介していきます。商人の出現により商品流通が始まりました。やがて問屋や商店、さらにはデパートやスーパーマーケットが登場し、現代的な流通システムが出来上がりました。それをふまえて、通活動の大枠と重要性、業界の規模などについて解説します。


第2章では、小売業について、百貨店、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ドラッグストアなどの業態別の解説を行います。


第3章では小売業の出店戦略や店舗経営についてわかりやすく説明します。生産と消費を結ぶ流通活動においてその重要性がますます高まる小売業の立ち位置を解説します。


第4章では、業界別、商品別の流通について説明します。たとえば、食品には食品の流通のしくみがあり、家電には家電の流通のしくみがあります。私たちの身近な商品がそれぞれどのような流通経路で流れて消費されていくかを見ていきます。


第5章では、近年、注目度が高まっているネット通販について小売・流通の視点から解説します。ネット通販ビジネスの現状と課題、今後の方向性などを業界の動向をふまえて解説していきます。


第6章では小売業の販売戦略について販売員やバイヤー(仕入れ担当者)の視点も交えながら紹介していきます。


第7章では、これからの流通のあり方について解説します。情報化、グローバル化などの流れのなかで新しい流通ビジネスモデルが誕生する可能性も出てきています。


なお、本書は2006年9月に発行された『トコトンやさしい流通の本』を大幅に加筆・修正し、内容に合わせてタイトルを変更した改訂版です。発売から10年以上が経ったことを受け、内容を大幅に入れ替え、小売・流通に関する最新の動きも網羅しました。もちろん、改訂前と同じように流通についてトコトンやさしく説明することを心がけました。専門的な予備知識がなくとも、小売・流通について正しく理解できるように努め、やさしくわかりやすく解説することを心がけました。


本書を読むことで、小売・流通の基本知識が読者のみなさんに自然なかたちでプラスされることと思います。ご興味のある方へ一読をお勧めいたします。

荷役効率化への課題

2017年10月29日

物流センターからアパレル店舗までの納品システムを見ると、ハンガー物流を展開しているケースが少なくありません。


しかし、トラック積載率をはじめとするさまざまな実務面のプロセスを検証すると、ハンガー物流で掛け替えなどの手間を省いても、「トラックの積載率が高くなければ、大きなメリットは出ないのではないか」という声も少なくありません。


けれども段ボール荷役でパレットを用いず、手荷役で頼る場合には、相当に現場に負担がかかっているケースが多いようです。しかし掛け替えの手間をきちんとコストに換算しなければ、ハンガー物流のメリットは実感できないのです。


ハンガー荷役やパレット荷役、かご車荷役を導入することが、手荷役オンリーの環境とは比べ物にならないほどに現場の労働負担を削減できることになるのです。この点については事業者だけの立場ではどうしようもなく、むしろ荷主企業に協力を求めることで改善が進むのではないでしょうか。


それゆえ、この点を踏まえての行政的な取り組みも今後は必要になってくるかもしれません。

物流現場改善の考え方

2017年8月19日

大きなお金をかけずにアイデアを持ち寄って現場を改善していく工夫を考えてみましょう。拙著『事例に学ぶ物流現場改善』(鈴木邦成著、日刊工業新聞社、2017年)を参考に物流現場改善を行ううえでのポイントをいくつか整理してみたいと思います。


まず、庫内の作業者、物品の流れを考え、動線レイアウトを徹底的に見直す必要があります。たとえばピッキング作業における作業者の動線が保管物、格納物の配置などと十分マッチしているかどうかを検討し、動線がスムーズでないならば、改善の方策を考えてみましょう。


あわせて、横持ちや縦持ち、エレベータ荷役の削減・減少が可能かどうかを考えてみましょう。現場の見える化の徹底も大切です。


そしてそのうえで、現場の知恵を集結しての「現場力」を高め、5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)、3定(定位・定品・定量)を考えながらのアイデア改善を実践していきましょう。

 

筆者紹介

鈴木 邦成

鈴木 邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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