鈴木邦成の「物流の視点」

物流現場改善の考え方

2017年8月19日

大きなお金をかけずにアイデアを持ち寄って現場を改善していく工夫を考えてみましょう。拙著『事例に学ぶ物流現場改善』(鈴木邦成著、日刊工業新聞社、2017年)を参考に物流現場改善を行ううえでのポイントをいくつか整理してみたいと思います。


まず、庫内の作業者、物品の流れを考え、動線レイアウトを徹底的に見直す必要があります。たとえばピッキング作業における作業者の動線が保管物、格納物の配置などと十分マッチしているかどうかを検討し、動線がスムーズでないならば、改善の方策を考えてみましょう。


あわせて、横持ちや縦持ち、エレベータ荷役の削減・減少が可能かどうかを考えてみましょう。現場の見える化の徹底も大切です。


そしてそのうえで、現場の知恵を集結しての「現場力」を高め、5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)、3定(定位・定品・定量)を考えながらのアイデア改善を実践していきましょう。

ロジスティクスの新潮流

2017年7月 6日

3PLという語が業界に定着してから、すでに15年ほどの歳月が経ちました。


当初は、「そんなことが可能なのか」ともいわれた3PLですが、近年はすっかり業界に定着したともいえましょう。


しかしながら、ここにきてその流れの中で2つの大きな分岐が出始めています。


1つはコントラクトロジスティクスと呼ばれる「3PLの深堀型」のビジネスモデルです。


すなわちコントラクトロジスティクスとは「3PLの中でも特定の荷主と物流業者間で契約して行われる深化された物流・ロジスティクスサービス」を指します。


また、3PL企業の中には自社以外の3PL企業を統括し、束ねてビジネスモデルを構築し始めている企業が出てきました。かつての4PLを時代の特性を踏まえてアレンジしているともいえましょう。


LLP(リードロジスティクスプロバイダー)といわれるロジスティクスシステムの企画立案・計画策定なども含めてのトータルサービスを行っていく流れが大きくなり始めているのです。


現状の3PLのビジネスモデルを完成型と見なし、それに安住するならば、加速する時代の流れの中の巨大な波になすすべもなく飲み込まれていく恐れもあるわけです。

生産と消費のギャップ

2017年5月16日

流通の最も大きな機能は生産と消費のギャップを埋めるということです。


生産と消費のギャップには、所有のギャップ、情報のギャップ、空間のギャップ、時間のギャップがあります。


このうち、所有のギャップと情報のギャップは商流の視点から、空間のギャップと時間のギャップは物流の視点から説明できます。


所有のギャップとは、ある商品の生産者と消費者が異なることから発生します。
社会分業制度が確立されている現代社会では消費者は必要な商品を自分で生産するわけではありません。


したがって生産者と消費者の間にある溝を埋める手立てとして商品流通システムが必要になるわけです。


また、同時に生産者と消費者の情報のギャップも埋められなければなりません。生産者がいつ、どこで、どのように商品を生産するかという情報を商品流通の過程で広告、宣伝し、消費者に伝えなければならないのです。

運行管理者による乗務前点呼

2017年4月22日

運行管理者は運行開始前に定められた場所で運転者の点呼を行います。


営業所または車庫で原則として対面で行われます。


運行管理者が運転者の体調、健康状態を直接、チェックするのです。


運転者に異常が見られた場合などにはそのまま乗務させることはせず代替の運転者を用意するなどの対策を講じます。


運転者が使用する車両については運行の開始前に車両法に基づいて目視などにより日常点検を行います。


車両に異常があれば整備を行い、異常を取り除くか、代替の車両を使うなどで対処する必要が出てきます。

拙著『物流現場改善』の概要

2017年3月10日

拙著『お金をかけずにすぐできる物流現場改善』の概要を同書の「はじめに」をもとにご紹介します。


物流が企業経営の生命線となりつつあります。最先端の物流システムを導入し、高度なレベルで物流改革を進めることで、コスト削減や効率化の実現を進める企業が多くなってきました。


しかしその一方で「物流の重要性はわかるが、なるべくおカネをかけずに物流の現場改善を行いたい」という声も小さくありません。大がかりなマテハン(物流関連)機器を導入したり、情報システムの刷新を図ったりするのではなく、まずは現場で創意工夫を凝らして物流改善を行いたいというわけです。


たとえば、物流センターのレイアウトを変えたり、梱包を簡素にしたりすることで物流コストも物流効率も大きく変わってくるのです。
 そこで本書ではそうした「コストをかけずにすぐできる物流現場改善」のニーズに対応すべく、おカネを使わずに頭を使って解決する現場改善の集めてみました。


『お金をかけずにすぐできる物流現場改善』(鈴木邦成著、日刊工業新聞社)の構成は次のようになっています。


第1章「物流アイデア改善の進め方」ではお金をかけずに工夫を凝らすことで物流現場の効率化、改善を進める考え方について、その大枠を説明します。


第2章「動線が変われば作業効率も変わる」では物流現場のレイアウトを工夫することにより物流現場の作業効率を改善した事例を紹介します。


第3章「整理整頓・見える化の徹底で改善!」では作業者が「立ち止まらない」、保管・在庫品を「探さない」工夫を施し、現場の見える化を進めることで物流現場の改善を図るノウハウを事例のかたちで紹介しています。


第4章「3定で物流現場を改善!」では3定(定位・定品・定量)などを活用しての現場改善事例を紹介します。


第5章「アイデア改善で作業効率を向上!」では物流現場でお金をかけず、工夫を凝らことでコスト削減、作業効率向上などを図るアイデア改善の事例を紹介します。


第6章「物流現場のしくみを改善!」では、現場のしくみを変えることで改善効果が得られる事例を紹介します。


第7章「現場力アップで物流現場を改善」では物流の現場で作業者が自発的な問題解決能力を高めることで改善を進めていきます。たとえば、現場担当者が保管棚の間口を自らの経験をもとに使いやすく微調整していくことで大きな相乗効果が得られるといった事例を紹介します。


また、巻末には物流改善に役立つ「改善メモ」を付けてあります。


なお、通勤・通学、現場でのちょっとした空き時間などの際にも手軽に内容が理解できるようにハンディタイプで、各章のそれぞれの項目が見開きで完結するように構成しました。左ページに「改善前」、右ページに「改善後」がそれぞれイラスト、図表が解説文とともに紹介されています。また改善の導入にあたっての難易度についても3段階の☆印で示してあります。まずは☆印の少ない、手軽にできるちょっとした改善から手をつけていかれるとよいと思います。


拙著『お金をかけずにすぐできる物流現場改善』を手にすることで、物流のちょっとした現場改善の窓が読者の目に大きく見開かれることを祈ってやみません。

 

筆者紹介

鈴木 邦成

鈴木 邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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