物流企業は自らIT化しよう

 物流IT化によって業務が効率化され現場要員数が減少されると、結果として「3PL企業の売り上げが減少する」と心配する人がいる。

現在の物流費算出方法では効率的な仕事をするより、時間をかけて残業する方が報酬が高いからだ。

 そのため、IT化せずにアナログで人手を多く掛けてやるといった本末転倒の3PL企業さえあるようだ。もちろん、全くの見当違いである。IT化によりコストの考え方も変わるのだ。

 ある中堅3PL企業は、アパレル・雑貨を中心に数十社の荷主に物流サービスを行っていたが、IT化は荷主の端末を用いて処理していた。システムの操作方法は、荷主ごとに異なるので使える人間は限られており、作業者が固定化されてコントロールできなかった。同社は2003年頃から当社ASPサービスの「LOGIZARD─PLUS」の導入を始めた。以前は荷主を受け入れるごとに新しいシステム対応に時間を取られていたが、数社の荷主の運用に同システムを活用したところ、初回荷主の受け入れが実にスムーズに行えたという。

 作業者にしてみれば操作性が統一・安定化されたことになり、システムを覚える・教えるというスタッフ間の連携も確立され、IT要員管理が格段に効率化された。顧客からは「低料金なのにミスが少なく、安心して任せられる」と好評で、以降、10社を上る荷主の運用で大きな成果を上げている。

 これまでIT化による業務の効率化が荷主との関係を良好にすると説明してきたが、この事例では、庫内のチームワークも良好になることが分かる。このように、システムを荷主任せにせず自分のものとして使いこなしていく方が有効ということがお分かり頂けるだろう。

 IT投資と言っても、ASP/SAASの投資額は、従来のシステム開発費と比較すると桁違いに安い。その物流IT投資を行って業務効率が向上したことによる利益は、当然、投資した方が享受することができる。だからASPを使ったIT改善はコストパフォーマンスが高く、リスクが低い。合わなければすぐ止めることができて不良資産が残らないからだ。

 先述したように現状の3PL企業には、IT投資を荷主に求める体質が多く残っており、物流改善の利益を得ることができずに、逆にIT改善したがために人件費の圧縮を迫られるという場面に陥る。そうならないためには、荷主が提供するIT機能を利用せず、3PL企業が自らIT化を主導することが重要だといえよう。


ロジザード会長・遠藤八郎)

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2009年1月 8日
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