物流ウィークリーヘッドライン
物は勝手には動かない。即ち物流は情報でコントロールするものである。
人類創世紀、猿がそれまで恐れていた炎を道具として手にした瞬間から、人は劇的に進化した。そして変化を繰り返し、人類はここまで成長してきた。物流もまた同じである。新しい道具を上手に取り入れた者が次の時代に進めるのだ。
顧客の情報を「早く・正確に入手する」、顧客に現場の情報を「早く・正確に提供する」。この2つを実現するのがITの役割である。物流情報技術の歴史は狼煙・飛脚・郵便・電信・電話、そしてインターネットへと進化してきた。この事実を冷静に判断すれば、ITを駆使できなければ、脱落してしまうのは目に見えて明らかだ。
ある倉庫業者は数年前まで、年間100万着の百貨店出荷を、複写伝票と赤鉛筆による人海戦術で処理していた。同社がシステム化するきっかけとなったのは、某大手アパレルメーカーを荷主として迎えた時のことだった。そのメーカーが「システムを導入する」ということで、倉庫業者は初めてのことに不安を覚えながらも導入に踏み切った。
その結果、驚くべき結果を得た。それまで1日かかっていた作業が半日でできるようになったとともに、どんなに気を付けても防げなかった出荷ミスを激減することに成功した。以降、その倉庫業者はITを活用した物流提案で、荷主の新規開拓を行っている。
一見すると「高い」と思えるIT導入コストだが、試算してみればあっという間に償却できるパターンがほとんどだ。導入の結果生まれる「高品質物流」は、どれほど荷主との信頼関係を生み、新規顧客の獲得へつながっていくことだろう。物流費を下げるだけの「守り」の経営から、ITを道具として活用することで、高度な物流技術を提供する「攻め」の経営へ転じさせることができるのだ。
そうは言っても、なかなか踏み切れない経営者は多い。新しい技術を取り入れること、これまでの考え方を捨てることがどれほど怖いことか、同じ経営者としてよく分かる。しかし、情報戦も負けたら賊軍なのである。どんなに優れた刀の使い手であっても、鉄砲の前には無力というもの。新しい道具を上手に取り入れた者こそが勝ち残れるのだ。あなたの倉庫は刀だろうか鉄砲だろうか。
(ロジザード会長・遠藤八郎)

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