物流ウィークリーヘッドライン
皆様こんにちは!
株式会社清長のロジスティクスコンサルタント 本多正史 と申します。
前回に引き続き、あるべき"物流"網の構築 〜消費者起点のロジスティクス〜(2)をお話させて頂きます。
ファストファッションが、高収益性を実現出来ている理由は、在庫回転率、そして圧倒的に短いリードタイムにあり、その秘密は、高い商品企画力と高度に連携したサプライチェーンと組織体制にあります。
アパレル業界では、平均40%程の製品が売れ残り、それらの多くはバーゲンなどで処分することになります。バーゲンで販売することは、当然、価格を下げることになるので、利益率の低下を招きます。
ところがZARAでは、この数値が15〜20%程度となっており、これは業界平均の約半分です。つまり、「最新の物を取り入れて、高く売ることができる」という、ビジネス・モデルが構築されているといえます。

それに加えて、ZARAでは、売り切れになった製品は、定番品以外は補充されません。
そうすることにより、「製品の希少性を高め、顧客が頻繁に店舗に足を運ぶようにさせて、購買意欲を高める」という独自のモデルになっています。
そして、このようなビジネス・モデルは、"消費者"を起点とした、先端的なサプライチェーンマネジメントによって支えられ、製造後、すぐ販売することにより、スループットタイムを短縮し、資金回転を効率化し、業績を向上させる"根幹"であるロジスティクスを"どう構築するのか?"が最も重要なポイントといえます。
つまり、流行にセンシティブで、製品が陳腐化しやすい、アパレルという商品特性を考えたときに、そのサプライチェーンというのは"どのようにあるべきか"という、"あるべき論"からできたモデルであり、同業者のベンチマークによるものではないといえるでしょう。
前回もお話させて頂きましたが、ロジスティクスは、いまや企業の"競争優位"を確立するために、なくてはならないものとなっています。
ZARAは、消費者の声を、ビジネスに徹底的に追求したモデルであり、消費者起点で構築したロジスティクスといえるでしょう。
これを機会に、ロジスティクス・物流を、消費者の視点から見直してみるのも良いかもしれないですね。
※スループットタイム:素材投入から完成までの期間の事。
※ファストファッション(fast fashion):最新の流行を採り入れながら低価格に抑えた衣料品を、短いサイクルで世界的に生産・販売するファッションブランドやその業態をさす。
株式会社 清長 http://www.seicho-inc.jp/
ロジスティクス経営士
経営ソリューション部 部長
本多 正史(ロジスティクス全体最適化のスペシャリスト)
大手小売会社にて、物流企画、物流センターの立ち上げなど、
業務を一から作り上げ軌道に乗せる業務を複数経験。
同社退社後、その経験・知識を活かし、大手運送会社の3PL部にて、
営業管理責任者、統括副責任者を歴任。
物流プランナーとして常時100社を超える顧客への、
3PL提案・物流システム構築・業務改善など、幅広く物流業務に携わり、
業務プロセス改善、物流再構築などに従事。
その後、戦略系コンサルティング会社にて、
戦略の立案・策定、資金調達等の業務に従事する。
その他、大手通販会社、リアル店舗を多数有するコスメ・健康食品会社等、
物流センター再構築プロジェクトなどに多数参画。
現在は、清長にて経営と現場の2つの領域から、全体最適支援を行っている。
コンサルティングテーマは、
「「経営」と「現場」両方の視点から支援するロジスティクス構築」
取得資格:ロジスティクス経営士(Certified Logistics Senior Master)
物流技術管理士
<前回までのコラム>
第6回「あるべき"物流"網の構築 〜消費者起点のロジスティクス〜1」
第5回「EC業界の"ロジスティクス"〜消費者起点(視点)」
第4回「顧客満足と物流サービス」
第3回「物流品質管理(改善)活動のステップ」
第2回「【ロジスティクス改革】成功の要件(2)」
第1回「【ロジスティクス改革】成功の要件(1)」
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