物流ウィークリーヘッドライン
ある倉庫会社の社長が言った。
「最近、めっきり荷量が減っている。既存の荷主の物量が増える兆しはない。新しい荷主を獲得しなければいけないが、当社の営業は不甲斐なく、全く新規の案件を取ることが出来ていない。ついては成果報酬を払うので、コンサル先を紹介してくれないか」。
このような問い合わせが最近、急増している。

当社には様々な業種、地域、規模の企業が物流に関する悩みを抱えて問い合わせをしてくる。もし10件の問い合わせがあれば、大まかには5件はコンサルティングを行い、しっかりとした調査分析による処方せんと、改善活動という治療を必要とする企業であるが、残りの5件は自社の努力をするか、委託先の物流企業を変えることで解決できる、コンサルを必要としない企業である。
しかし、当社としても問い合わせをしてくれた企業に満足頂くためには、物流企業であればどこでも紹介して良いわけではない。実務の提供で荷主企業を良く出来る、力のある企業でないと困る。
当社としては、まず紹介に足る企業になってもらうために、一定の報酬でコンサルティングを受けて欲しい、その過程で御社のニーズに叶う企業がでたら、無料で紹介する。よって顧客を紹介したからいくら、といった成果報酬契約は受けられないことを告げたところ、それでもどうしても取引をしたい、という。
「御社が当社に売上、いや利益をもたらしてくれる顧客を紹介してくれたら、貢献に見合う報酬を払う、と言っている。今提示しているような些少な金ではない。そのほうがやる気が出るだろう」。
私は言った。「そうですか、それなら具体的にいくら払うというのですか。」「それは案件を見てから決めたい。そうだな、当社の粗利の半分を最初の1ヶ月分払うというのはどうだ」。
この社長は本当に物流の営業をしたことがあるのだろうか。物流はサービス業だ。サービスには定価はない。利益を出すための受託業務の熟知と、他社に価格で負けない緻密な原価管理と、信念を持った交渉によってのみ、利益を出せる。売上が減ったからと自助努力もせずに、安易に金で顧客を買うような企業は、結局コスト削減を目的に取引先を変える顧客に足元を見透かされるのが関の山である。
私の経験では「荷主を儲けさせる物流」を提供できてのみ、成果報酬は成立する。それは、お互いにリスクを取り、同士と呼べるほどの長く、深い取引によってのみ実現するものだ。
株式会社ロジスティクス・サポート&パートナーズ
http://www.logi-sp.com
専務取締役 中根 治
「1ランク上の物流へ」をコンセプトに、交渉によるコスト削減一辺倒の日本の物流を変えるべく、現場出身の経験豊富なメンバーが日夜改善活動に主体的に取り組み、「儲かる物流」実現のサポートを行う。
また、日本の物流の実態を正確に掴むため、業界専門誌と連携しトラック実勢運賃調査、物流現場生産性調査など、現場の生の情報を発信し続けている。
現在、これらの情報をより現場で働く人にダイレクトに届けるために、物流情報ポータルサイト「物流解決ねっと」を運営、より多くの現場で働く人、物流で悩みを抱える人や企業のパートナーとなるべく活動を続けている。
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<前回までのコラム>
第3回:「やる気を削ぎ続ける国」
第2回:「元請け-下請け構造を疑え」
第1回:「儲かる物流のかたちとは」
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