第31回: 採算管理の処方箋

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第31回: 採算管理の処方箋

2007年3月22日

最も問題のある顧客であるB社の算定シートを見ると、コスト高の一番の原因はピース数の割に注文件数が多いことです。「リストピック ケース(件数)」「リストピック ピース(件数)」の処理量が多いことがコストを押し上げています。採算改善のためには受注条件を見直して注文をまとめていくこと、すなわち、注文1件あたりピース数が22.4ピース/件という数字を大きくしていくことが必要です。

顧客の注文をまとめていくなんて無理なこと、と思われるかもしれませんが、決してそんなことはありません。この結果が出たときの検討会では、B社の注文は受注締め切り後に来るものが多いため、通常のピッキングのあとに2回・3回と追加でピッキングをしていること、取引条件では店舗ごとに注文日が曜日で決まっているのに、これも守らない緊急注文が多いために余計に注文が細かくなっていることなどが指摘されました。これらの事実は物流センターでは誰でも知っていることでしたが、営業担当者は知りませんでした。

営業担当者として、売り上げは順調に伸びている自分の顧客が、会社の採算に深刻な悪影響を及ぼしていることを知って驚き、取引条件が守られていないことを知って2度驚いたのです。営業担当は、各店舗の商品管理を支援するリテールサポートに力を入れることで、取引条件が守られるように力を尽くすと約束しました。


※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

株式会社湯浅コンサルティング 代表取締役
湯浅 和夫氏

湯浅和夫 1946年  埼玉県生まれ
1969年  早稲田大学第一商学部卒業
1971年  同大学大学院商学研究科修士課程修了
1971年  日通総合研究所入社
1996年  同社経営コンサルティング部長
1999年  同社取締役
2001年  同社常務取締役
2004年  3月、同社を退職
2004年  4月、株式会社湯浅コンサルティングを設立し、代表取締役に就任。現在に至る。

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