第27回:高コスト部分の改善

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第27回:高コスト部分の改善

2007年3月22日

表中の「物流比率」のところをみると、問題が発生しているようです。顧客Aは物流比率が107.5%と、物流コストが粗利を上回ってしまっています。これでは利益が出るはずもありません。顧客Cについても物流比率は92.5%と高く、利益が出ているとは思えません。何らかの改善策が必要だということになります。一方、顧客Bは、物流コストは低く抑えられているといえそうです。

さて、改善するためには何をすればよいでしょうか。先の表から、「何をすればコストがどう変わるか、採算がどう変わるか」が見えてきます。顧客Aについて、アクティビティ別に高いコストがかかっているものをみてみましょう。「返品受け入れ」に月間48万円のコストがかかっていることがわかります。また、「ピッキング移動」「梱包明細封入」にも高いコストがかかっています。

まず、これらのアクティビティについて、「なぜ、このアクティビティが発生するのか」を考えます。そして発生を抑えられる方法を考えてください。返品が大量に発生しているのは、売り方に問題があるのかもしれません。営業現場で「押し込み販売」が行われていないか、調べてみるのも1つの方法です。返品処理にこれだけのコストがかかるということを、営業部門のスタッフは知らないでいるのかもしれません。


別のアプローチとして、問題のアクティビティについて「活動を効率化できないか」検討します。「返品受け入れ」の単価は「253円/ピース」と高く、他のアクティビティよりも、多くの時間が費やされていることが推測できます。もっと短時間でできれば、アクティビティ単価を下げることができます。

このように、1つひとつのアクティビティについて、2つの側面からコスト低減の余地がないか検証していきます。自社の努力でできることはすべて行っていきます。しかし、それでも赤字が消せないということが当然、起こりえます。この場合は、顧客との交渉が必要になってきます。

 

筆者紹介

株式会社湯浅コンサルティング 代表取締役
湯浅 和夫氏

湯浅和夫 1946年  埼玉県生まれ
1969年  早稲田大学第一商学部卒業
1971年  同大学大学院商学研究科修士課程修了
1971年  日通総合研究所入社
1996年  同社経営コンサルティング部長
1999年  同社取締役
2001年  同社常務取締役
2004年  3月、同社を退職
2004年  4月、株式会社湯浅コンサルティングを設立し、代表取締役に就任。現在に至る。

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