第23回:処理量の調査方法

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第23回:処理量の調査方法

2007年3月22日

 処理量を把握するには、多くの場合、現場の調査が必要になる。どの作業も何らかの作業指示に基づいて行っているとすれば、物流施設のどこかには必ず、処理量の手がかりがあるはずである。しかし、処理量データが一元的に管理されている物流拠点はあまり多くない。そこで例えば、ケース出荷数を見るにはケース在庫の払出記録を見る、梱包した箱を含めた出荷箱数を見るにはトラックの送り状を調べる、といった具合に散逸している手がかりを集めて回る調査が必要になるのである。

算定時の処理量の調査は、作業時間の調査と同じ日にそろえて行うようにする。こうしておくと、各アクティビティの「一処理あたり作業時間」が正確に出せるからである。一処理あたり作業時間については、別の項目で詳しく述べることとするが、物流ABCに基づく作業効率管理の核となるデータであるから正しく把握できるようにする。


処理量を一覧できる形で整理してみると、いろいろと興味深いことが見えてくる。ABC導入にコンサルとしてかかわる場合には、最初に拠点の管理責任者の方に作業概況を教えていただくが、処理量調査を行うと、最初に聞いていた数字と実態の数字が大きく食い違っていたということは珍しくない。

「うちはケース出荷が主体。でも近年はピース出荷が増えてきました」という拠点で、トラックに積んだ箱の中でケースを一度も開けないで出荷した箱は一割未満であることがわかったり、「一部の取引先で、かご車納品を命じられているので、パレットから積み替えをやっています」という拠点で、実は積み替えが必要なオリコン数が総出荷箱数の3分の1を超えていたり、といった例は枚挙に暇がない。

管理者の「思い込み」と現実のギャップは、作業の効率を大きく阻害している場合が多い。保管場や作業場のレイアウト、1日の作業の流れの組み方、作業者の配置などが誤った前提のもとに決定されていることになるからである。

物流拠点作業の前提条件は常に変化している。管理者はこの変化を計数的に把握しておくことが必須であり、感覚に頼った管理は危険である。アクティビティごとの処理量は、この意味で管理に欠かせない数字である。処理量の把握なくして何の管理ができるのか、といっても過言ではないのである。

 

筆者紹介

株式会社湯浅コンサルティング 代表取締役
湯浅 和夫氏

湯浅和夫 1946年  埼玉県生まれ
1969年  早稲田大学第一商学部卒業
1971年  同大学大学院商学研究科修士課程修了
1971年  日通総合研究所入社
1996年  同社経営コンサルティング部長
1999年  同社取締役
2001年  同社常務取締役
2004年  3月、同社を退職
2004年  4月、株式会社湯浅コンサルティングを設立し、代表取締役に就任。現在に至る。

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