第8回:アクティビティの設定

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第8回:アクティビティの設定

2007年3月22日

◆ アクティビティを設定する…物流ABC算定手順その1
物流ABCの算定手順を以下の6つに整理した。「手順1:アクティビティの設定→手順2:投入要素別原価の把握→手順3:配賦基準の把握→手順4:アクティビティ原価の算定→手順5:処理量の把握→手順6:アクティビティ単価の算定」である。

◆ アクティビティ設定のポイントは管理目的に応じて異なる
物流ABCの算定はアクティビティの設定から始まる。アクティビティ設定は、物流施設の中で実際にやっている活動を整理していけばいいわけであり、本来、それほど難しいものではない。ただ、ここで問題になるのは、どの程度の粗さ、あるいは細かさのレベルで設定するのがよいかということである。

この問題に対する答えは、教科書的には以下のようになる。「管理目的に応じて、コスト格差を反映したいレベルで設定しなさい。」物流ABCは物流をアクティビティで管理していくものであるから、どのような管理をしたいかということから出発して、そのために必要となる細かさはどのレベルなのかを考えなさいという意味である。


これは、あまり親切な答えとはいえないかもしれない。具体例をあげて説明しよう。例えば、顧客別に物流コストを正確に出して、物流サービスの採算を見たいということが目的である場合と、アクティビティごとに作業の生産性を管理して徹底的な効率化をしたいという場合で、アクティビティ設定のポイントは以下のように異なる。

顧客別コストを出すことが目的であれば、重要なのは顧客に起因する物流活動の負荷の違いを正しく反映するということである。特定の顧客のためにやっている加工作業や、帳票作成作業などは、洗い出して別アクティビティにする必要がある。しかし、当センター側の都合で作業のやり方を何通りか持っているというようなものについては、特に区別する必要はない。例えばケースピッキングにおいて商品をラックからとっているか、床に直置きで積み重ねられたパレットからとっているかという違いは、顧客には特に関係のない作業のやり方の違いであるから、区別しないで「ケースピッキング」とまとめてしまってよいということである。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

株式会社湯浅コンサルティング 代表取締役
湯浅 和夫氏

湯浅和夫 1946年  埼玉県生まれ
1969年  早稲田大学第一商学部卒業
1971年  同大学大学院商学研究科修士課程修了
1971年  日通総合研究所入社
1996年  同社経営コンサルティング部長
1999年  同社取締役
2001年  同社常務取締役
2004年  3月、同社を退職
2004年  4月、株式会社湯浅コンサルティングを設立し、代表取締役に就任。現在に至る。

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