第67回:金融危機の影響直撃

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第67回:金融危機の影響直撃

2009年7月10日

 世界的な金融危機の影響を受け、各地で閉鎖に追い込まれる工場が急増しており、職を失った出稼ぎ労働者が春節を待たずに農村へ帰郷するケースが相次いでいます。

 専門家の観測によれば、職を失い農村への帰郷を余儀なくされた出稼ぎ労働者は2000万人を超えると見られています。国家統計局が06年末に発表したデータでは、農村からの出稼ぎ労働者は1億3000万人とされていますが、実際はすでに2億人を超えている可能性が高いとも言われています。

 今回の失業者の中には、これまでのように都市で新たな職を探そうとせず、故郷へ戻ることを決意した人が少なくありません。

 各地で暴動が頻発している中、不満を抱くこうした大量の失業者が暴動に加わる可能性も否定できないため、政府は緊急の支援対策を打ち出しています。温家宝首相はこのほど、金融危機の影響により失業した出稼ぎ労働者のための総合支援として百億元を拠出する方針を明らかにしました。

 この支援金は帰郷した労働者が安定した農村生活を送れるよう、農業用機器購入の費用などに充てられます。中央のみならず地方政府間でも、地方に戻った労働者を支援する動きが広まっており、重慶市政府は二億元を投入し、「出戻り」労働者の再就職支援を行うことを決定しています。今後はこうした地方政府の対応が非常に重要になってくると思われます。

 さて、約1年弱つたない文章で中国の現状をお伝えしてきましたが、私のコラムは今回で最後となります。どうもありがとうございました。またどこかでお目にかかれる日を楽しみにしております。


※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

ストラテジック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)
原 慶之氏

原 慶之 ストラテジック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)は、中国ビジネスにおけるリサーチ事業とアウトソーシング事業を中心とした中国ビジネスの実働部隊。
多くの企業が、実際に中国ビジネスを行う際に直面する様々な壁を、実際の実働と豊富な情報でバックアップし、顧客企業の中国ビジネスを成功へ導くソリューションを提供。
情報、実働、戦略を通して顧客企業の中国ビジネスをバックアップしている。

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