第63回:通関制度への理解不足

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第63回:通関制度への理解不足

2009年5月14日

 今回から四回にわたり「アジア物流」として、中国物流とベトナム物流に関してご紹介したいと思います。前半は中国物流についてです。

 中国では、電子ネットワークで通関データと外貨管理局(銀行)、税務局がリンクしているため、通関を正しく行わないと決済や税務処理にも影響を及ぼします。例えば、「貨物は受領したが送金ができない」「貨物は輸出したのに税還付が受けられない」という事例です。

 通関でもトラブルがあり、「貨物が納期通り届かない」などの声をよく聞きます。こうした背景には、中国の通関制度への理解不足や、中国側での通関状況が正確に伝わらないなどの理由が考えられます。

 中国で輸出入を行う際、輸出入権が必要です。従来、外資企業の場合、生産型企業に対しては生産用設備や原料・部材の輸入及び製品の輸出に対して自動的に輸出入権は付与されてきました。しかし、商社などの貿易型企業に対しては、企業登記が保税区内に限定しており、輸出入権は付与されていませんでした。

 2001年のWTO加盟後、外貨と内資の格差が縮まり、2004年には商務部8号令で中国国内に於ける外資の卸、小売業設立が認められると同時に輸出入権も付与される事になりました。

 また、2005年には保税区企業の経営範囲の拡大を認めるという、商貿字76号も交付され、従来から保税区に登記していた企業に対しても輸出入権が認可されることになりました。

 これにより、従来は輸出入手続きを中国系の貿易会社に委託していた外資企業が、自社名義で輸出入を行うケースが増えてきています。

 次回は、中国の通関制度についてご紹介致します。


 

筆者紹介

ストラテジック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)
原 慶之氏

原 慶之 ストラテジック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)は、中国ビジネスにおけるリサーチ事業とアウトソーシング事業を中心とした中国ビジネスの実働部隊。
多くの企業が、実際に中国ビジネスを行う際に直面する様々な壁を、実際の実働と豊富な情報でバックアップし、顧客企業の中国ビジネスを成功へ導くソリューションを提供。
情報、実働、戦略を通して顧客企業の中国ビジネスをバックアップしている。

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