第47回:異常気象に見舞われた春節

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第47回:異常気象に見舞われた春節

2008年9月26日

 今年も春節の時期がやって参りました。春節は中国で最も重要な祝日であり、家族で過ごす方が多いため、この時期の交通機関は大混雑します。

 例年、「休暇による操業停止が原因の生産遅れ」「帰省した労働者が戻らず、労働力の確保ができない」という点が問題になっているのですが、今年は様子が違うようです。

 中国では50年ぶりとも言われる寒波と大雪の被害に見舞われ、民政省によると1月末時点での経済損失は220億元を超えるといわれています。

 高速道路の閉鎖、鉄道、高速バス、航空機とも欠航・遅延などが相次ぎ、企業によっては部品が届かず製造に影響したり、帰省客は駅で足止めされ大混雑しています。
 


 今年も多くの人から「春節の直前に会社をやめ、故郷に帰ります」との報告を聞きましたが、退社すると同時に寮には住めなくなるので、住む家もなく、実家に帰る道も閉ざされ困り果てているのではないかと心配していたのですが、政府は春節前に交通機関の正常化、寒波による農作物被害による食料品の便乗価格防止への働きかけを行いました。

 当社にも「安全のため社員を帰省させないように」という内容のFAXが届き、個人の携帯電話には、鉄道会社から「切符のキャンセルについてのお知らせ」、労働局からは「経済的な事情で生活に問題があれば必要な援助をするので申し出るように」という内容のメッセージが届きました。

 ほかにも、温家宝首相が被災地に出向いて国民を激励するなど、政府の社会不安を抑えようという意識が伝わってきます。現時点では政府に対する評価はあまり聞こえていませんが、おめでたい雰囲気が冷めて日常生活がスタートする頃には、改めて政府の評価が下されるのではないでしょうか。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

ストラテジック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)
原 慶之氏

原 慶之 ストラテジック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)は、中国ビジネスにおけるリサーチ事業とアウトソーシング事業を中心とした中国ビジネスの実働部隊。
多くの企業が、実際に中国ビジネスを行う際に直面する様々な壁を、実際の実働と豊富な情報でバックアップし、顧客企業の中国ビジネスを成功へ導くソリューションを提供。
情報、実働、戦略を通して顧客企業の中国ビジネスをバックアップしている。

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