第4回:中国での情報収集

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第4回:中国での情報収集

2006年4月10日

 前回、外資系企業の進出に関する法改正について簡単にご紹介しましたが、中国の法律はよく変化します。

 特に、ビジネス関連の法律は激しく変化します。

また、暫定法が多く、いつまた変わるかもしれないというような法律が多々あります。


このため、中国ビジネスを行う以上、法律については専門家のアドバイスを受けることは必須ですし、それとともに自分たちでも理解していくことが重要です。

 また、法律の解釈の仕方や明文化されていない部分には、不明瞭な点やグレーな部分がどうしても存在します。

 そういった部分に対しては、『外資系企業や日系企業とのビジネスを行ったことがある』、または、『感覚が理解できる』人間が身近にいれば心強いでしょう。

 中国側のニュアンスと日本企業が感じるニュアンスを理解した上での説明なりアドバイスがなければ、話が進まないということが多々あります。

 誤解が生じることも少なくありません。

 日本企業の多くが、感覚的に理解している法律もあります。

例えば、華南地区の深センでは、企業がガードマンやセールスマン、会計士などの職務を採用する際に「深セン戸籍担保」を要求します。

 これは、会社内での物品や会計情報の持ち出しなど会社に損害を与えることが可能な立場の社員に対して、そのリスク軽減のために戸籍担保を要求することです。

 また、自動車購入時などでローンを組むときに、戸籍を提示することで担保としてサービスが受けられることもあります。

 この「深セン戸籍担保」を必須であると思われている方がいますが、実際には何の効力もありません。

では何故、多くの企業が必要だと思っているのでしょうか。

 その名の通り、何かあった場合に担保として取り扱えるように思われていますが、実際には、一旦採用された社員が会社に損害をもたらした場合、会社は担保人に担保責任を追究することはできないのです。

 つまり、こういった社員から会社への損害時での担保方式には意味がなく、あくまで企業側の心理的な防衛線、社員に対する精神的な抑制になっているだけなのです。

 このように、不明瞭なまま、周りがそうしているからという理由で『右に倣え』で物事を進めていく日本企業にありがちな習慣も、中国ではしっかりと下調べや情報収集を行ってから決めていくことが、より重要になります。

 その1つに法律も入ると私は思います。

すべてではなくとも、常に情報収集や理解に努めるという心構えが必要です。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

ストラテジック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)
原 慶之氏

原 慶之 ストラテジック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)は、中国ビジネスにおけるリサーチ事業とアウトソーシング事業を中心とした中国ビジネスの実働部隊。
多くの企業が、実際に中国ビジネスを行う際に直面する様々な壁を、実際の実働と豊富な情報でバックアップし、顧客企業の中国ビジネスを成功へ導くソリューションを提供。
情報、実働、戦略を通して顧客企業の中国ビジネスをバックアップしている。

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