第35回:加工貿易制限品目の追加

連載トップへ

第35回:加工貿易制限品目の追加

2008年4月11日

 商務部・税関總署から新たな加工貿易制限品目が7月23日に公布され、8月23日から施行されます。今回の公告では、プラスチック、紡糸、家具など1853項目が追加されることになりました。

 具体的な変更点ですが、まず加工貿易保証金制度の義務化が挙げられます。加工貿易保証金制度とは、原材料を輸入する際、輸入段階の関税および増値税に相当する保証金を納付しなければならない制度です。

 輸入申告時に保証金を納付しなければならない「実転」と税関指定の銀行が発行する「保証台帳」で輸出入品の照合をし、実資金の負担のない方法「空転」という方法があります。

 加工貿易企業は、企業の規模や活動内容により、特定優良企業であるA類、合法的な活動を行っているB類、違法行為が認定されたことのあるC類、密輸または3回以上の違法行為が認定され、加工貿易を禁止されたD類企業の4つに分けられます。

 A類企業は、今回の公告施行前は基本的に実転・空転ともに必要なかったのですが、公告施行後は輸入制限品については保証金額の50%相当を積み立てる必要があります。

 B類企業は、施行前から制限製品を扱う場合50%の保証金を積み立て、それ以外は空転となっておりましたので、今回の追加項目についても50%相当の保証金の積み立てを行わなければなりません。

 C類については、施行前から輸入関税、増値税の100%を実転適用されているので、今回の公告施行後も100%保証金の積み立てを行わなければなりません。
 


 ただし、東部地域(北京市、天津市、上海市、遼寧省、河北省、山東省、江蘇省、浙江省、福建省、広東省)以外の中西部地域で制限分類製品の加工貿易を行う場合にはA・B類企業の場合、空転が適用されます。

 今回の公告施行より、前に商務部主管部門より認可され税関登録まで完了している加工貿易業務は、現在の規定に基づき執行することができます。

 ただし制限類商品名称、数量、金額、有効期限などの変更は認められません。公告施行時点で商務部主管による認可は下りているものの、税関への登録申請が完了していない場合、「加工貿易業務批准証書」は失効し、再度申請を行わなくてはなりません。

 また、今回の公告では07年7月23日時点で対外貿易権を取得していない東部企業からの制限類商品の加工貿易業務の申請を受理しないが、非制限類の加工貿易に従事できるとされております。

 これまでに加工貿易を行ったことのある対外貿易権を持たない企業は07年10月23日までに申請し、規定された期限までに対外貿易権を有する企業となれば、引き続き制限類の加工貿易を行うことができる、とされています。

 商務部によれば、年内に加工貿易禁止目録、制限類目録の再調整の可能性も示唆されており、今後も貿易摩擦の解消、加工貿易の高付加価値化、中西部移転促進を推進する形で、加工貿易の優遇制度は変更されていくと思われます。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

ストラテジック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)
原 慶之氏

原 慶之 ストラテジック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)は、中国ビジネスにおけるリサーチ事業とアウトソーシング事業を中心とした中国ビジネスの実働部隊。
多くの企業が、実際に中国ビジネスを行う際に直面する様々な壁を、実際の実働と豊富な情報でバックアップし、顧客企業の中国ビジネスを成功へ導くソリューションを提供。
情報、実働、戦略を通して顧客企業の中国ビジネスをバックアップしている。

関連書籍のご案内

GoogleAD