第31回:取扱量5億3000万トンの上海港

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第31回:取扱量5億3000万トンの上海港

2008年2月15日

 先日、天津で開催された「中国国際港サミット」で、中国交通運輸協会会長の銭永昌氏は「2006年、港の貨物取扱量は55億7000万㌧に達して4年連続の世界一となり、10年までには80億㌧にまで達する見込み」と発表しました。

 06年に中国全土で貨物取扱量が1億㌧を超えた港は12か所ありますが、中でも最も多い上海港では、5億3000万㌧を取り扱っています。

 上海港の取扱量は、05年の洋山港開港を受けてさらに増加し、07年第1四半期でのコンテナ取扱量が香港を抜いて世界2位となりました。

 洋山港については、開港当初は「市内から遠すぎる」「外高橋と比較するとシステムが整っていない」などの理由から、否定的な意見も聞こえていました。
 


 しかし、外高橋と比べて水深が深く、これまで寄港できなかった大型船の対応も可能となっており、運用開始から年々、上海港全体の取扱量に占める洋山港率は増加。09年には外高橋を抜くと言われています。

 一部では、上海万博が開催される10年には、洋山港を含む上海港のコンテナ取扱量が2500万TEUに達すると予測されています。また同じ年、洋山港の陸側・南匯区に世界有数の物流園区を含む金融、貿易、ビジネス、研究などが集まる臨港新城がオープンを予定しており、こちらも注目を集めています。

 明確な国家政策のもと、大規模な発展を続ける上海港に、周辺アジア地域の港では危機感を強めています。釜山港では迅速で安価な港湾サービスの提供、シンガポールでは新システムの導入で通関手続きを短縮するなど、荷主利便性の高いサービス提供を行うことで中国に対抗する動きが見られています。

 これらの港の発展は、今後の物流業界全体に大きな影響を与えることは間違いないでしょう。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

ストラテジック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)
原 慶之氏

原 慶之 ストラテジック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)は、中国ビジネスにおけるリサーチ事業とアウトソーシング事業を中心とした中国ビジネスの実働部隊。
多くの企業が、実際に中国ビジネスを行う際に直面する様々な壁を、実際の実働と豊富な情報でバックアップし、顧客企業の中国ビジネスを成功へ導くソリューションを提供。
情報、実働、戦略を通して顧客企業の中国ビジネスをバックアップしている。

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