第26回:「保税区」と「物流園区」

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第26回:「保税区」と「物流園区」

2007年8月 7日

 最近、輸出物流に対してフォーカスした保税区として「保税物流園区」というものができています。今回は、この「物流園区」の概要を簡単にご紹介します。

 一般的に「保税区」と言われている保税地域とどう違うのか、非常にわかりにくいと思います。「保税区」と「物流園区」は、その機能と目的が異なります。


 まず、「物流園区」は、あくまで物流のための保税区で、園区内に生産や加工のための企業は設立できません(保税区の場合、加工や生産企業の設立が可能)。ですから、物流拠点としての機能を置くための保税区です。

 次に、「増値税の還付」についてです。保税区と同じように、物流園区も区内に荷物が入った時点で輸出、区外へ荷物を出した時点で輸入となりますが、通常、保税区の場合は国外に出した後に増値税が還付されます。

 物流園区の場合、園区に貨物が入った時点で、増値税の還付が可能です。これによりキャッシュフローを考えた場合、中国の還付税率は通常17%ですから、非常にありがたいのです。

 また、海外企業や園区内にある企業に対しては物流園区に貨物を入れた場合、外貨決済が可能になります。これにより、ビジネススキームにもかなり広がりが出てくるのではないかと思います。

 また、人民元決済でなくとも、区外企業とのやり取りが可能になる点も注目すべきところです。保税面だけでなく、決済面や機能面で今後、よりビジネスの広がりが出てくるのではないかと思われます。

 むろん、各物流園区により特徴も異なります。対応やサービスがまだ行き届いていないとも聞かれますので、実際に物流園区に足を運び、いろいろと聞いてみる方が良いと思います。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

ストラテジック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)
原 慶之氏

原 慶之 ストラテジック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)は、中国ビジネスにおけるリサーチ事業とアウトソーシング事業を中心とした中国ビジネスの実働部隊。
多くの企業が、実際に中国ビジネスを行う際に直面する様々な壁を、実際の実働と豊富な情報でバックアップし、顧客企業の中国ビジネスを成功へ導くソリューションを提供。
情報、実働、戦略を通して顧客企業の中国ビジネスをバックアップしている。

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