第19回:上昇するベトナム投資

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第19回:上昇するベトナム投資

2007年4月 1日

中国の高い経済成長とともに、海外からの中国投資も膨れ上がっています。しかし、業種によっては中国を避け、ほかのアジア諸国へ移行する流れもあります。その筆頭に上がっているのが、ベトナムです。

 日系企業のベトナムへの投資額は過去最高となりました。直接投資総額は約九億㌦。額としては、対中投資額には及ばないものの、今後は製造業を中心に膨れ上がってくるとみられます。


 弊社の顧客企業も、ベトナムへの生産拠点の一部移行や、新たにベトナムへ、という方も多いようで、そういった話もやはり出ています。
 昨年には、中国とベトナム北部を結ぶ高速道路が開通しました。ベトナムと中国は陸続きなので、中国、ベトナムの拠点を上手にデザインすると、各国のメリットをうまく絡めた生産体制が構築できるのです。

 特に、これからは中国が市場として大きくなる半面、生活レベルも上がり、「コストの安い中国」というイメージから脱却していくでしょう。実際に、地域によっては生産コストが合わなくなってきている所もあります。
 なかでも華南地区は製造業も多く、すでに進出している日系企業は、元来は生産拠点として進出していましたが、これからは営業権も取得しやすくなることもあり、現地での採算性を検討し始めている企業も少なくないようです。それと共に、陸続きのベトナムなどの国々も視野に入ってきています。

 しかし、一度築いた生産拠点やモデルを簡単に移動できるものではないのも事実です。中国国内物流とともに、近隣アジア諸国への物流モデルも、今後はより高い注目を集めることになるでしょう。

 実際に、日系商社が広州─ハノイ間を、2日間でトラック輸送するサービスを開始したようです。弊社の顧客の中には、こういったトレンドの現れか、中国で生産する上で、事前に中国国内での採算性や物流、そして近隣アジア諸国への展開を視野に入れて考えている企業が増えています。

 生産拠点として考えられていた中国が、これからは単独ではなく、中国国内でのビジネスと共に、アジア各国へのハブ機能を兼ね備えた拠点としても考えられているのです。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

ストラテジック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)
原 慶之氏

原 慶之 ストラテジック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)は、中国ビジネスにおけるリサーチ事業とアウトソーシング事業を中心とした中国ビジネスの実働部隊。
多くの企業が、実際に中国ビジネスを行う際に直面する様々な壁を、実際の実働と豊富な情報でバックアップし、顧客企業の中国ビジネスを成功へ導くソリューションを提供。
情報、実働、戦略を通して顧客企業の中国ビジネスをバックアップしている。

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