第11回:甘くない中国進出

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第11回:甘くない中国進出

2006年4月30日

前回に引き続き、中国での日本食事情を通じて、現地の経済状況をお伝えします。

 現地での日本料理業界は競争が激しくなっており、もちろん集客にも差が出ています。日本料理店に行けば日本語が飛び交い、会話ができ、日本の味が楽しめる。その上、日本人カラオケ店も隣にあり、現地駐在員にとって「おいしい」「楽しい」「安心」と居心地はこの上ないということです。


 これまで以上に中国市場は世界的に注目を集めており、欧米や日本企業を中心に中国進出が目覚しいのはご存じの通りです。特に、中国の在留邦人の数は他の国に比べると急激な右肩上がりですが、現地化を図りたい企業も多く、駐在員を減らす方向で考えている企業も多いようです。

 しかし、現地中国人の教育にかかる手間暇やトラブルの多さから、実際は日本人を派遣せざるを得ない状況にあります。また、最近では職を求めて中国に行くケースも多いようです。それと比例して、中国駐在員の数も軒並み増加しています。

 現地駐在員をターゲットとしたビジネスは、中国人を対象とするビジネスとは比べものにならないほどマーケットは小規模です。しかし、成長し続ける右肩上がりの中国経済と全体の市場規模が大きいため、小規模といってもかなり旨味のある市場になっています。

これからは、より「現地化」した飲食店を目指して、各店舗が競う時代になってくるでしょう。本場日本の味でありながら、その一方では現地で受け入れられる味。フランチャイズの規制緩和にともなって、弊社にも飲食業進出の相談が数多く舞い込んできています。

 しかし、今後の中国飲食業界では、日本にあるものを中国に持って行って簡単に成功するほど甘くはないのです。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

ストラテジック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)
原 慶之氏

原 慶之 ストラテジック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)は、中国ビジネスにおけるリサーチ事業とアウトソーシング事業を中心とした中国ビジネスの実働部隊。
多くの企業が、実際に中国ビジネスを行う際に直面する様々な壁を、実際の実働と豊富な情報でバックアップし、顧客企業の中国ビジネスを成功へ導くソリューションを提供。
情報、実働、戦略を通して顧客企業の中国ビジネスをバックアップしている。

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