第10回:進化する中国の日本料理店

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第10回:進化する中国の日本料理店

2006年4月26日

今回も前回に引き続き、中国の日本食店事情について紹介します。JC(日本人シェフの店)やCC(中国人シェフの店)の大半が、昔ながらの居酒屋といった雰囲気で、あまり内装にこだわっていません。「日本的な感覚が味わえれば良い」と、日本の風情を少しでも感じられるようなものは、とりあえず置いてあるようです。メニューには「冷奴」や「塩辛」「唐揚」などのいわゆる「居酒屋メニュー」がズラリと並んでいます。


 一方、日本の居酒屋では比較的少ないご飯類や麺類もかなり目に付きます。これは、現地の日本人が「酒を飲む」のと同時に、「日本食を食べる」ことも大きな目的として、店にやってきている証拠でしょう。また、両者を比べると、JCは圧倒的に創造性があり、変化に富んだメニューが多く見られます。
 最近、日本食店事情にも変化が起き始めているように感じます。深セン市内にはおしゃれな内装で凝ったメニューを出す店が増えてきました。日本で言うところの「創作居酒屋」、要するに居酒屋をベースとしたダイニングバーです。日本人の目から見ても、日本にたくさんある「創作居酒屋」と見劣りしない雰囲気やサービス、メニューが揃っています。

 この変化は単にJCであるからといった理由ではなく、駐在日本人をターゲットにした日本食店の競争激化と中国での日本食市場をチャンスと捉える店が増えてきた証拠だと思います。なぜなら先に触れたようなCCによる日本食店でも、そういったおしゃれな「創作居酒屋」に負けじと、メニューやサービスのレベルが上がってきているからです。まさに自由競争の生み出した変化です。「変化」というよりも「進化」といったほうが正しいのかもしれません。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

ストラテジック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)
原 慶之氏

原 慶之 ストラテジック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)は、中国ビジネスにおけるリサーチ事業とアウトソーシング事業を中心とした中国ビジネスの実働部隊。
多くの企業が、実際に中国ビジネスを行う際に直面する様々な壁を、実際の実働と豊富な情報でバックアップし、顧客企業の中国ビジネスを成功へ導くソリューションを提供。
情報、実働、戦略を通して顧客企業の中国ビジネスをバックアップしている。

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