第8回:「SCM推進委員会を組織してくれ」

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第8回:「SCM推進委員会を組織してくれ」

2007年3月22日

「もちろん、物流部だけでできる問題ではない。まず、俺が委員長になるから、関係部門長を委員として『SCM推進委員会』を組織してくれ」

「そうだ、営業担当専務を副委員長に置こう。事務局は物流部だ。そして、その下にいくつかのプロジェクトを置く。今日、議論した課題を整理して3つか4つだな」

「メンバーは関係課長と中心的な主任クラスで構成してくれ。こっちの事務局は大久保君、君がやれ」

「全体の組織図とそれぞれの推進項目を整理したものを作って、原案を俺に見せてくれ。役員会に提案して、具体的に検討を始めよう」

松川の指示は実に明快であった。


大久保は、いきなりの指名を受けてびっくりした。

瞬間、助けを求めるように、どう反応したらよいのかを窺うつもりで川田の顔を見た。

川田は微笑を浮かべて浅くうなずくと、直ぐに松川に向かって言った。

「かしこまりました。早速、作成してご覧いただきます。営業担当専務には副社長からお話していただけますでしょうか」


「うん、俺から話す。各メンバーには、まだ話さないでいい。役員会への提案書が出来てからにしよう」

「とにかく原案を作って見せてくれ」

大久保は、2人のやりとりを聞きながらそっと物流企画課長の西尾の様子を窺った。

役職からいえば、当然、プロジェクトの事務局は彼の仕事になるはずだからある。

松川からの突然の指名は嬉しかったが、それにしても少し変だと思った。

大久保は自分でいいのだろうかと思い始めていた。

西尾は表情を変えず、静かに資料に目を落としている。

報告会は終わった。

秘書がお茶を持って来た。

ひとときの雑談を終えての解散となったが、大久保だけ残れと松川が言った。

退室しようとしていた大久保は、何事かと緊張しながら立っていた。

「まあ、こっちへ座れ」

打ち合わせテーブルではなく、ソファの方に座れという。

松川は、何かをロッカーから持ち出して来た。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

東京ロジスティクス研究所
重田 靖男氏

重田靖男 1941年生まれ。早稲田大学理工学部卒業。
資生堂で、物流開発プロジェクト室長、物流部長、マーケティング本部長を歴任。資生堂物流サービス株式会社社長を経て、株式会社東京ロジスティクス研究所を設立。
現在は顧問として、荷主・物流企業をコンサルティングしている。

【委員】
日本ロジスティクスシステム協会企画開発専門委員長
物流技術管理士資格認定委員および講師
日本物流学会会員

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