第96回:小口荷主で稼ぐ

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第96回:小口荷主で稼ぐ

2007年7月26日

 私は仕事柄、タクシーに乗ることが多い。乗ると必ずと言って良いほど運転手さんと話をする。雑学や地の利など大変勉強になる。

 あるとき、ずばりタクシーの仕事で、メシが食えているのかいないのかを聞いてみた。

 そうすると現実的な生々しい結果が出た。


 東京地区ではタクシー会社勤めの運転者さんの年収は500万円強、個人タクシーで約750万円強。大阪では年収300万円弱と、東京と大阪ではこんなにも開きがある。

 ということは、必然的に東京ではメシが食えているということになる。おどろくことに、親子3代タクシー運転者というヒトもいるとのこと。さらに驚くことに東京の個人タクシーは燃料はハイオクと決っているのだ。

 そして、彼らの稼ぎ方を聞くと銀座や六本木での飲み屋帰りの長距離狙いより、かえって街中のワンメーターのお客様をつないでいくことの方が水揚げが上がるとのこと。

 これはまさに物流業にも言えることであった。荷量の多い大手の仕事を狙って請負うと、大半が価格競争となり、赤字の仕事となる。

 しかし、中堅や中小の仕事となると価格に厳しいことには変わりがないが、輸配送業務以外に保管業務や流通加工、配車や受注伝票の入力など、仕事に幅が出てくる余力が残されている。実際、我々のクライアント先で順調な経営を行っている物流会社の主要荷主は中堅もしくは中小企業であり、見方を変えれば将来のトヨタや松下と取引しているとも言える。

 大口狙いは誰もが考え、動くこと。そのため、そこには厳しい競争が待っている。小口はできれば避けたいとまず感じてしまう。

 その小口の内容を良く見て、理解すればお金が埋まっていることが判明する。その分、手間もかかるかもしれない。

 しかし、コツコツ小口を重ねることが稼ぐポイントになるのは、物流業もタクシー業も同じであると私は強く思う。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

株式会社日本ロジファクトリー
青木 正一氏

青木正一 1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。

 主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。

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