第93回:現場はショールーム

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第93回:現場はショールーム

2007年6月28日

 「現場はショールームである」と、私は物流会社のメンバーに頻繁に伝える。「ショールーム」。それは荷主がここを訪れれば、思わず仕事をお願いしてしまいたくなる現場。

 物流コンペにおける選考プロセスにおいても提案書通過(一次選考)、見積書通過、トップヒアリング通過を果たし、受注まであと一歩というところで最終チェックとして「現場視察」。ここで荷主は、いままでとの大きなギャップを感じることになる。提案書に書かれていた内容とはほど遠い現場のずさんな運営と、あいさつひとつできないスタッフたち。

 私はこんなパターンの会社を数多く見てきた。どんなにすばらしい提案営業であっても、現場が「ショールーム化」されていなければ、荷主は仕事を依頼しない。


 むしろ、その大きなギャップを感じてしまう。ある物流会社の社長がよく言う、「最大の営業は良い仕事をすること」と。その通りであるが、具体的には「ショールーム」のような現場を創り上げることである。

 これは何もお金がかかることを示しているのではない。(1)あいさつ、(2)整理、整頓(できれば清掃、清潔、躾の5S)(3)電話応対──の3点が基本事項である。あたり前のことばかりである。「整理」とは要らない物を捨てること。「整頓」は良く使う物を、次に使いやすいように整えておくこと。ここまでかみ砕かないと現場には伝わらない。

 また電話応対は、その対応の印象が良いということに重点を置くことが多いが、その他に重要なのは担当者不在時の伝言と折り返し連絡である。

 私がモデルとして推薦するある物流会社は、30分以内に折り返しの連絡が入る。要するに施設が古くても、きっちり整理・整頓がなされている現場であれば十分、荷主の目にかなう。物流業は完全にハード産業からソフト産業に変わった。みなさん、現場をショールーム化しましょう。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

株式会社日本ロジファクトリー
青木 正一氏

青木正一 1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。

 主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。

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