第92回:「給料は誰からもらっているのか」

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第92回:「給料は誰からもらっているのか」

2007年6月21日

 「給料は誰からもらっているのか」と、しばしば私は物流現場のスタッフやドライバーに聞く。返ってくる答えは「会社からです」が大半である。

 残念なことであるが、これが実態である。物流現場スタッフやドライバーに限らず、給料は「お客様」からもらっているのである。サービス業である物流業の現場は、このことをしっかり伝えなければならない。


 あいさつ、マナーは当然のこと、荷扱いや緊急対応をしっかり理解して進めてもらうために、不可欠なことである。会社のトップや営業担当者は比較的お客様(荷主)と接することが多いため、既にこのことを理解している人はほどほどにいるが、現場となると「お客様」ではなく、「会社」から給料をもらっていると錯覚してしまう。

 会社はお客様からもらったお金(売り上げ)を分配しているに過ぎないのである。サービス業は、特にお客様(荷主)を見て仕事をすることが基本である。

 確かに現場スタッフはお客様と会う機会もなく、感謝のことばを聞くこともない。聞くことがあってもクレーム発生の時くらいである。

 我々の業界は、やって当たり前、荷物が時間通りに届いて当たり前、キズなく汚れることなく届いて当たり前という仕事をしているから大変である。だからこそ「給料はお客様からもらっている」という事実を意識的に伝えなければならない。意識改革、現場改善のスタート地点と言えよう。

 このことを会社の半分以上のスタッフが理解し行動し出すと、会社は必ず変わる。サービス業として、荷主に喜ばれる企業として、みなさんも現場スタッフが集まる場で聞いて見てください。

 「給料は誰からもらっているのか」と。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

株式会社日本ロジファクトリー
青木 正一氏

青木正一 1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。

 主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。

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