第81回:運賃値下げはもうやらない

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第81回:運賃値下げはもうやらない

2007年4月 1日

燃料費高騰、人手不足、コンプライアンスの強化、景気の上向き、10年に1度の運賃交渉が強くすすめられるチャンスが到来している。ある物流会社の社長は、この時期は約12年の周期で訪れると言っている。オイルショックの時期、バブルの時期、そして今回である。


認可運賃も下げ止まり、57〜60年度タリフ相場で維持している。そうは言っても、まだ値下げ要求があるという会社は(1)相場を知り、自信を持ってこれ以上下げられないことを伝える。(2)(1)のツールとして自社の車両別原価計算表を作成し、荷主に提示し(1)の説明を行う。(3)値下げを提案力、提案活動で回避する。そして最も有効な方法として(4)燃料費高騰を理由にせずに人手不足を前面に打ち出すことである。

  燃料費高騰と言っても燃料の原価構成比に占める割合は全体の数%と僅かであり、人件費の割合は約50%を占め、圧倒的に高い構成比を占め、そしてインパクトがある。そしてもう1つは燃料費高騰のテーマは「あなたたちの業界のこと」として片付けられてしまい、人手不足は「我々も困っている」として共通の感が発生する。

 現在、我々の物流会社のクライアントで値上げ交渉を行っている会社は約6割強、そのうち50%の会社が平均3〜5%で値上げに成功している。当然、すべての会社ではなく、確率論として認める会社があることと、提示する金額の満額が受け入れられるわけではないが今後、値上げ交渉が認められるケースが増えてくるであろう。

 社長! もう泣き寝入りしている場合じゃないですよ。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

株式会社日本ロジファクトリー
青木 正一氏

青木正一 1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。

 主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。

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