第8回:業務の再認識

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第8回:業務の再認識

2006年4月20日

予想されなかった効果とは、B社の業務に携わっている『A運輸のドライバー及び現場作業員のモチベーションの上昇』である。普段、特に意識することなく行っている業務でも、第三者から見れば「すごいノウハウ」ということは、よくある話である。A運輸でも同じことが言えた。


 A運輸、特に、現場担当者にとっては「当たり前のこと」を行っているに過ぎない日常業務を弊社が資料としてまとめたことで、他社では対応できない「当たり前ではない」業務であることが認識できたという。結果、現場担当者の仕事に対するモチベーションが上がってきており、それが社内的にも良い影響を及ぼしているとのことであった。
 また、A運輸の経営陣も自社のノウハウについて再認識することが出来たという。その結果、
1・今まで会社案内には記載していなかったB社の業務をA運輸の強みとして掲載する
2・B社以外の番組制作会社に対する営業活動の推進を検討している
とのことであった。
 B社の値下げ要請を回避することが出来なかったため、後ろめたい気持ちでA運輸の役員にお会いしたが、予想しなかった効果を説明頂き、お礼まで頂けた。
 「うちには強みが無い」という話をよく耳にするが、それは強みが無いのではなく、強みを認識することが出来ないだけではないか。
 どんな企業にも強みはあるはずであるし、これが無ければ今まで存続することは出来なかったはずである。逆に言えば、現在、存続しているということは、何かしらの強みがあるということである。これについては経営者が率先して認識していくべきであり、社員が実感することで、強い提案力に繋がっていくのである。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

株式会社日本ロジファクトリー
青木 正一氏

青木正一 1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。

 主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。

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