第79回:儲けのみを求めるなら物流業は辞めた方が良い

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第79回:儲けのみを求めるなら物流業は辞めた方が良い

2007年4月 1日

物流業の経営利益率は優良企業で7%前後、一握りの超優良企業で10%強。黒字企業の大半は1─3%と、その利益率は全体的に低い。このほかの多くは赤字企業である。

 例えば、あるコンビニエンス大手は経常利益25%、上場優良製造メーカー、部品メーカーで30%を超えるといった企業があるが、物流業界にはそんな会社は皆無である。儲かる商売かといえば決してそうではない。むしろ、「労多くして実り少なく」の商売であろう。


事故の対応、対策、就労環境と長時間労働、また、これらの管理など一般産業と単純に比べられるものではないが、ハードかつ儲からない商売である。しかし我々なくして新鮮な肉や魚、野菜やイタリアのワインも飲めない。反対に猛暑でも自動販売機で冷たいジュースが買えるし、引っ越しも簡単にできる、便利になった。我々は経済活動を支える基盤産業としてなくてはならない黒子なのである。

 こういった社会に対する影響力や貢献する手応えと喜び、または乗務員の成長に対するやりがいなど、我々が「当たり前の崇高な存在」であることを、将来のビジョンや夢、荷主へのサービス、従業員の幸せなどに転化できなければ、つまらない商売かもしれない。

 社長! こんな儲からない商売をなぜ続けているのですか? いや続けていける原動力は何ですか。もしこの質問に答えが出なければ、はじめは大義名分で良いですから会社の儲けには代えられない原動力を創りませんか。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

株式会社日本ロジファクトリー
青木 正一氏

青木正一 1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。

 主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。

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