第6回:現場でのヒアリング

連載トップへ

第6回:現場でのヒアリング

2006年4月16日

B社の経営者を納得させるための資料を作成するため、私達は更にA運輸の担当者にヒアリングを行うと共に、現場調査を行った。そこで分かったことは次の通りである。


1.A運輸のドライバーは、ただ単に番組で使用するセットを運ぶだけではなく、ロケ地ではセットの組立てを補助するなど、スタッフとしての役割を担っている
 2.現場の作業内容を理解しているため、B社からA運輸への発注はドライバー指名で行われることが多い
 3.A運輸はB社のセットを横にせず、そのままの形状で運べるよう、一般的なトラックよりも荷台を下げた専用車輌を開発し使用している
 4.B社ではどのセットがどこにあるかは把握しておらず、全てA運輸の担当者が把握している
 5.B社の担当者は製作する番組毎に違っているにも関わらず、A運輸への指示は、各番組担当者からA運輸への担当者に直接されている。また、現在は少なくなってきたが、状況によってはドライバーがエキストラとして番組に“出演”することもあるという。(当然“出演料”は無し)
 ここまで対応できる運送会社はA運輸以外にはないはずであり、当然、B社に対しても同じはずであることを
再認識した私達は、B社の経営陣に対する資料の作成に取り組んだ。資料の内容は、(1)現在、A運輸が行っている業務の詳細(2)新たな提案である。
 (2)については、業務フローと各シチュエーションでどのような業務が発生しているか、を写真と図で説明。(A運輸からの要望で文章は極力無くすことと指示が入ったため、文章は最低限しか入れていない)
 (2)については、使用するセットにICタグを付けることで、どのセットがどこにあるかが常に分かるようにする、というものである。
 1か月後、約30枚に渡る資料が完成した。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

株式会社日本ロジファクトリー
青木 正一氏

青木正一 1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。

 主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。

関連書籍のご案内

GoogleAD