第25回:拠点間で大きな差

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第25回:拠点間で大きな差

2006年6月 1日

今回は、ある荷主企業の配車担当者の取り組みをご紹介したい。この企業は家庭用品を中心とした日用雑貨を取り扱っている総合卸商社K社。昨今、売上は伸び悩んでいるが年商1000億円強の中堅卸売企業である。得意先はGMS(General Merchandise Store)やSM(Super Market)がメインであり、店舗向けもしくは共配センター向けの出荷を行っている。物流拠点は全国に40拠点以上あり、地元に密着した形で運営されている。


配送は各拠点で地元の物流企業を中心に調達している。
 その調達や採算管理を行っているのは各拠点の配車担当者である。支払い物流費のほとんどを占めている配送費のコントロールは、配車担当者の手腕に委ねられているといっても過言ではない。K社では、その手法は各人に任せられてしまっているため、配車業務を標準化することができないでいた。そのため、対売上の配送費比率が高い拠点と低い拠点の差が大きくなってしまっていた。また、配車ノウハウが個人に依存し過ぎているため、担当者が変わることによってコストが跳ね上がったり、業務が非効率化したりということが頻繁に起こっていた。
 これらを問題視した統括部長Y氏からの依頼で、コスト増となっている拠点を中心に改善を行うことになった。この企業は全社的に拠点ごとに対売上に占める配送費比率を捉えることで配車業務を評価していた。40拠点の平均は4—5%である。高い拠点で6—7%、低い拠点では3—4%の拠点が多かった。ところが静岡センターだけは、常時、2%台と他のセンターとは別格の推移を誇っていた。このセンターの配車担当者に全社的に展開できる改善のヒントが眠っているかもしれないと感じた我々は、配車担当者のM氏に会いに静岡センターを訪れた。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

株式会社日本ロジファクトリー
青木 正一氏

青木正一 1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。

 主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。

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