第205回:不況を言い訳にしない

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第205回:不況を言い訳にしない

2009年12月11日

 「不況を言い訳にしない」。リーマン破綻から世界中で景気にブレーキがかかり、物量の減少で、倒産する物流会社も増加の一途をたどっている。しかし、倒産した物流会社を見ると、この不況に突入する前から経営が危ぶまれていたところも多い。今回の不況がとどめをさした格好である。

 中・長期的な視野を持ち、人材の育成に力を入れ、営業活動を体系的かつ継続してきた会社、日頃から銀行との関係を良好に保っていた会社は、いったん売り上げを落としたものの挽回に転じている。

 多くの物流会社が苦境に立たされているなかで、これらの事柄に対して十分な策を講じてこなかったことを反省しなければならない。挽回に転じている会社にとっても、倒産の危機意識は拭えない。

 しかし、そのなかでも景気にブレーキがかかってすぐに崩れてしまう会社、耐え凌ぐ会社、挽回し、攻めに転じる会社がある。その違いは明らかに「蓄え」である。それは財務力のみを示しているのではない。

 ここ一番、会社が苦境に立たされた時に、一丸となって知恵を出し、現場を引っ張っていく、まとめていくことのできる人材を育ててきたのかという「教育の蓄え」、現場改善やコストダウンを日頃から心がけ、ムダをなくすことに注力してきたのかという「ノウハウの蓄え」、冬の賞与が出ない、給料カットとなっても会社に残って少しでも貢献したいという会社と社員との「信頼の蓄え」である。

 この大ピンチを糧に、経営のあり方を見直すことが必要である。もちろん、そんな余裕がないというのも当然だが、事態が収拾して落ち着けば、この反省と共に取りかかってもらいたい。その段階に来れば、すでに生き残り組に入っていると言えるのではないだろうか。


※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

株式会社日本ロジファクトリー
青木 正一氏

青木正一 1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。

 主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。

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