物流ウィークリーヘッドライン
貿易会社T社の社長M氏も一代で今の会社を築き上げた。年商45億円で、車関連の輸出入を行っている。M氏の先見性と行動力にはすばらしいものがあり、韓国、北米への拠点設置の準備も着々と進んでいた。
その矢先、経営そのものに暗雲が立ちこめた。急にM社長と連絡が取れなくなった。
定期指導にも顔を出さなくなり、若手部長2人で様々な重要項目を取り決め、それをM社長に報告・確認を行うという形で経営が続けられた。
3か月後、久しぶりにM社長が顔を出した。その顔はげっそりとやつれていた。15キロも体重が減ったという。M社長が口火を切った。「周りには隠していたんですが入院しており、先週、無事退院しました」。病名は胃と肝臓のガンであった。早期発見であったため、幸い仕事にも復帰できた。
そうこうしているうちに世界金融大恐慌に突入し、輸出が止まり急激な売り上げダウンとなった。M氏は初めての経験となる希望退職、整理解雇を行うまでに追い詰められている。
ガンの原因がストレスであったと言われているだけに、また再発の恐れがあると不安になっている。会社の経営危機と健康不安というダブルパンチの中、「ゼロからの出発」と、既に次のシナリオを描いている。
また、H社長も物流会社を一代で東証一部上場までに育て上げた全国でも有名な社長である。
後継者も見つかり、優秀な幹部にも恵まれ、少しはゆっくりしても良さそうなものであるが、いまだに年中無休で働いている。創業間もない38年程前から、経営はずっと不安定の連続であった。ここ10年こそ安定してきたが、まだやるべきことがあると言って現場主義を貫き通す気骨に驚異さえ感じる。
自分の会社より苦しんでいる会社もあれば、頑張っている会社もある。有能な経営者が業績を支えている。ただ、彼らの努力は周囲の人間にも明かされることなく、またその内容は想像を絶するほどの驚異であることが多い。