物流ウィークリーヘッドライン
不況時代に突入しながらも、しっかりと業績を維持している物流会社も多い。これらの会社の共通点は、いずれも血の出るような経営者の気力と努力があることである。
ある物流会社の2代目T氏は、経営を先代からバトンタッチされた後、営業所まわりに奔走した。グループ内に6つの営業所があり、T氏はその営業所巡回を1日に2、3営業所を回った。その距離、何と1日1000キロメートル。東京・大阪間を往復する距離である。
移動方法は車。学生時代にラグビーで鍛えたT氏も、さすがに1000キロメートルの移動はこたえたようである。しばしば睡魔が襲い、左太ももの内側を何度もつねりながら走ったという。太もものあざは今も消えることはない。
また、S物流会社の社長は鹿児島から上京し、1代で年商30億円にもなる会社を築き上げた。途中、倒産の危機や金融詐欺にも引っかかってしまい、会社の存在が危ぶまれたが、長男が会社を継ぐことになってからは次第に経営が安定してきた。
強靭な気力と体力で病気にかかったことがないという60歳のS氏。顔つやも良く、元気そのものである。今までの経営を聞くと、1日の睡眠時間は、わずか2時間だという。
理由は、「常に会社のことを考え、枕元にはネタ帳ならぬ『経営メモ帳』が置いてあり、何か気付いたことがあると、すぐに目を覚ます」という。そして、そのメモ帳に必要なことを走り書きし、また布団に入る。このような生活を続けている中で、1日の睡眠時間が2時間というのが当たり前になった。
有能な経営者ほど、自らの苦労話はそう簡単には話さない。しかし、一度その話を聞けば、壮絶な気力と努力の賜物であることが分かる。また、さらに共通しているのは、本人たちがそのことを苦労と思っていないことである。