第202回:お金を「貰う」から「払う」時代へ

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第202回:お金を「貰う」から「払う」時代へ

2009年11月20日

 普通、商売や事業というと、「顧客が欲しいもの、必要とするもの」に対して事業者が、それに見合ったサービスや商品を提供することで代金(お金)を貰うものであるが、最近の元気な会社はその流れが反対になっているようである。

 顧客からお金を貰うのではなく、払うことによってビジネスが成立している。何とも奇妙な現象である。


 例えば、中古本や古着の買取り、また紙や金属類の回収は提供した側がお金を貰えるようになっている。彼らから見れば、単なる「仕入れ」に過ぎない場合も少なくないが、顧客から見れば、処分に困っているモノを引き取ってもらうことで助かり、そのうえお金まで貰っているということである。

 これは、一方がそれを求めているという「需要」があるために成り立っている。企業や消費者が不要としており、手放したいモノをまず集め、後で売り先を見つける。または加工し、形を変えたモノとして、あらためて売る、いわゆるリサイクルという場合で成り立っている場合もある。いずれにせよ共通しているのは「物の流れは反対に転じている」という点である。「静脈物流」や「リバースロジスティクス」と呼ばれるものである。

 物流には「行き」と「帰り」がある。不況期には、この「帰り」の物流が活発になる。すでに「帰り」の物流に対応している物流会社も多いことであろう。まだまだこの需要はたくさん残されている。その需要を自社に取り込むには、今、世の中の経済がどのような流れになっているのかということを、実際に体感することが必要である。

 特に、「お客様からお金を貰う時代」から「お金を支払う時代」になっていること。皆さんの会社や家庭、身の周りでいらなくなったモノやサービスはありませんか。あるとしたらそれに伴う物流を担い、対応することが物流会社の仕事です。


※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

株式会社日本ロジファクトリー
青木 正一氏

青木正一 1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。

 主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。

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