第201回:大不況時代の生き残り戦略-3

連載トップへ

第201回:大不況時代の生き残り戦略-3

2009年11月13日

 このような時に、あらためて確認しておくことがある。従業員の生活や仕事への不満が高まる中、いかにモチベーションを維持させるかである。従業員はTVニュースや新聞、ラジオで情報を得ている上、景気が悪いことを実感している。こんな時こそ会社は「元気づけ」を行う必要がある。

 モチベーションを上げることは難しくても、下げないようにすることは、ちょっとした気配りや配慮でできる。ある会社では、毎年行っている社員の忘年会を「経費抑制のため中止する」と言い出したが、こういう時にこそ忘年会はやるべきだと提言し、実施することになった。

 コストダウンについての解釈を間違えている会社が驚くほど多い。

「経費の構成比が最も高いところからメスを入れること」

「ヒトにかかわる手当や福利厚生費の抑制は給料カット、ボーナス削減と同様にモチベーションを大きく下げてしまうこと」

「瞬間損は大丈夫、いけないのは継続損となっているコストであるということ」

 何でも経費削減を行うというのは、人員が多い大企業であれば、わずかなことでも大きな節約・コストダウンになるが、中小企業ではそうはいかない。メスを入れるコストと入れないコストを明確にしておかなければ、退職者が続出するなどの負の連鎖がはじまる。

 元々モチベーションとは「動機付け、きっかけ」のことを言う。忘年会やレクリエーション、サークル、誕生日会、カラオケ大会、従業員への手紙など、ちょっとした自然体の集まりや気配りを企画してはどうか。

 ある会社は、女性の事務スタッフとパートが多く働いている。ある日、休憩室に社長が花を買って置いたところ、「明るい気分になりますね」と声をかけてきた女性社員がいた。大不況時代でも心の貧乏は避けたい。


 

筆者紹介

株式会社日本ロジファクトリー
青木 正一氏

青木正一 1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。

 主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。

関連書籍のご案内

GoogleAD