第199回:大不況時代の生き残り戦略-1

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第199回:大不況時代の生き残り戦略-1

2009年10月30日

 世界経済が低迷する中、物流業はどのように経営を行っていけば良いのか。今回は「業務のものさし」についてお伝えしたい。

 「安い運賃だなあ」「あの便の帰りに載せられるか」。ある物流会社での配車担当者とドライバーの会話である。この世の中、「おいしい仕事」など、ほぼ存在しないと思ってよいであろう。99%の仕事が「安い仕事」である。「安い仕事」で、どのように生き残ればよいのか。

 そのひとつにある「利益経営」は、前のシリーズでお伝えした通り、全ての業務をいったん数字に置き換え、売り上げと原価、経費のバランスを見ることから始まる。このような話をすると「邪魔くさいなあ」「そこまでやらなくても別のやり方があるのでは」などという声をよく耳にするが、百年に一度あるかないかの大不況時に、数字に置き換える作業をしなくて何をして生き残れるものか。

 まず車両別損益、コース別損益を把握しなければ、具体的な改善策が打てない。これらは「毎日」出すことに意味がある。週や月単位では、手を打つスピードが遅れてしまう上、抽象的な指示しか出せなくなる。

 また、燃費管理、キロメートル当たり売り上げの算出、売り上げ対人件費比率が50%を超えていないかどうかの確認など、やることはたくさんある。これらができない理由に「1車両で2人のドライバーが乗っている」「積み合わせや共配をしているため、このような数字が出ない」とも聞くが、1円単位まで正確な数字が必要なわけではない。按分による「概算」で十分である。

 現状で原因が分からない場合は、さらに詳しく調べてみる。いわゆる業務を細分化し、大まかでよいので数値に置き換えることで、想定外の課題や問題点が必ず見つかるものである。


 

筆者紹介

株式会社日本ロジファクトリー
青木 正一氏

青木正一 1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。

 主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。

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