第19回:改善結果の報告

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第19回:改善結果の報告

2006年5月21日

我々はプロジェクト開始から一か月を経過した時点で、プロジェクトミーティングを開催した。前回、埼玉センターを視察した際に抽出した課題である『ノウハウは各拠点がそれぞれの形で構築しており共有化できていない』に対しての改善策を議論した。
 議論の結果、改善策として神奈川センターの現場効率化と平行して、センター長(センター長候補)を対象とした社内研修を毎月1回開催することとなった。内容は以下のものが代表的なテーマである。


(1)『センター長として何をすべきかの把握と役割分担の明確化』。なかにはパートの勤怠管理からシフト決定、フォークマンを兼任しているセンター長も存在していた。センター長は本来、その拠点の『ミニ経営者』として、損益管理や目標設定、売上波動を読み、人員体制の適正化などを重点的に務めなければならないはずである。業務の棚卸と役割分担の明確化を行った。

(2)『G物流としての連絡体制の整備(フォーマットの作成)』。コスト管理表や貨物事故連絡体制など、各拠点がバラバラになっており(フォーマット類は一切ないという拠点まで存在していた)、他の拠点のメンバーが見てもさっぱり内容が解らないという状態であった。フォーマットや連絡体制を全社で統一することで、改善策や事故内容などを全拠点が把握できるようにし、G物流としての現場管理ノウハウを共有化する形をとった。

(3)『5Sの徹底とパート・アルバイト(現場社員)へのモチベーションの与え方』。5Sチェックリストの作成、班編成の変更、個人業績の掲示による競争意識の向上策、定期ミーティング・面談の実施などの実施事項を設定した。
 これらを学んだセンター長(センター長候補)が、所属する各拠点の現場に落とし込みを行っていった。

 研修を開催するたびに、テーマに対する進捗状況と今後の課題・問題点・阻害要因・それに対する具体的な実施事項を確認すると、各拠点のセンター長やセンター長候補はこれまでの改善成果を発表する場を待っていたかのように、嬉しそうに改善結果を報告していた。「面談の実施により現場の改善意識が高まってきた」「作業時間の短縮を図ることができた」「他拠点の改善策を現場社員に紹介したら、実際に自分の現場にも取り入れようと努力していた」など、数多くの報告を受けることができた。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

株式会社日本ロジファクトリー
青木 正一氏

青木正一 1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。

 主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。

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