物流ウィークリーヘッドライン
先月、ある物流会社の社長が当社を訪れた。この会社は、運賃の値引きはほとんどせず、貸切ではなくスポット中心。また顧客数も多く、我々の知っている物流会社でも優良企業であった。社長は2代目として二十代から先代の経営を手伝い、経常利益率7%、無借金経営を続けていた。
しかし、久しぶりに会う社長の様子が優れなかった。持ち前のキープスマイルが消えていた。ここ3年くらいの中で、競争なき市場ともいえた自社の業務サービスに他社が次々と参入し、価格競争に入ってしまったという。そのため、得意先の25%が他社に流れた。また、将来を期待していた所長に不正が発覚し、懲戒解雇を行った。優秀なドライバーも他社に引き抜かれていった。
要因として、人が育たなかったことや、地方経済の低迷などがあったが、最大の要因は社長自身にあった。長年にわたる高収益体質と無借金経営。ほかの経営者から比べると、危機感が薄かったと感じるのである。
会社には1番に出社するものの、社業より業界の付き合いの方が忙しかった。営業らしい営業も行っていなかった。私は売り上げの伸びが止まり、利益率が下がった年に「社長、早く手を打たないと、あっという間に利益を食いつぶしますよ」と警告し、具体的に5つほどの実施項目を挙げ、その進め方を伝えたが、「まだ何とかなると甘く見ていました」と社長。
今やグループ2社とも減収減益の赤字となり、いよいよ借り入れをしなければならないという。しかし、2期連続の赤字となると、一般的に銀行はお金を貸したがらない。悲しいかなゴールなき戦いを行っている経営者にとって、成長時は一つひとつの階段をじわじわ駆け上がるが、衰退期はあっという間に転げ落ちてしまう。衰退の原因は必ず成長期に芽を出しているというが、本当であると思う。