第182回:定期的に他社見学を行っているか

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第182回:定期的に他社見学を行っているか

2009年6月18日

 物流業界の経営者、管理職は基本的に井の中の蛙である。従って、自分たちがよかれと思って行っていることも、同業他社・業界全体で見ると間違っていたり、劣っていたりする場合がよくある。伝票処理の方法、電話応対の仕方、センター運営における人員管理、配車のやり方など、さまざまな面でその違いが見られる。

 中途採用の人材を積極的に行っている会社では、前職や他の会社を見てきたため、最適な方法を追求・改善することができるが、プロパー社員やベテラン社員の多い会社では、ほかのやり方、いわゆる「引き出し」の数が少ない。

 我々が行っているセンター長育成講座でも、参加者にとっては座学やロールプレイングしかり、他社見学が最もインパクトがあるようである。なぜなら、現場を見れば一目瞭然だからである。

 やはり、経営者や幹部候補、中間管理職、すべての階層に言えることだが、「他を知る」ことには大きな収穫がある。自分たちが行っていることの方が最適方法であれば、反対に「確信」が得られる。これも大きな財産である。

 事業所を広域に五か所以上持つ中規模クラスの物流会社では、他社見学の前に自社見学をおすすめする。事業所の数が増えたこと、また人事異動を積極的にローテーション化できないため、自社の他の営業所はどんなやり方や運営を行っているかまでは知らない社員が多いのが実情である。

 協組メンバーやエリアがバッティングしない会社などに連絡を取って見学を申し入れる。そして、見学を受け入れる。自社が見られるとなれば、現場も変わってくる。

 いずれにせよ、荷主と自社との関係や、現場でしか見えないことが常である物流業界。放っておけば、自然に井の中の蛙となってしまう。そこであえて他社見学、自社見学を行い、他から学ぶことが必要である。意図的に、計画的に、定期的にである。


※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

株式会社日本ロジファクトリー
青木 正一氏

青木正一 1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。

 主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。

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