第172回:フォークリフトにマニキュアを

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第172回:フォークリフトにマニキュアを

2009年4月10日

 我々は、現場の商品事故撲滅に向けた改善を行うことが多い。この商品事故は、入荷時、ピッキング時、庫内移動時、積み込み時、荷下ろし時とその作業工程のいずれにおいても発生する可能性がある。

 これらの作業工程の中で共通する頻度の多い作業を見ていくと、キーとなるものとしてフォークリフト作業が挙がる。実際、商品事故の原因として、フォークリフト作業が関連しているケースは非常に多いのが実情である。

 フォークリフト関連の商品事故は大別すると2つになる。1つはフォークリフト作業時の落下事故。もう1つは、フォークリフトの爪先による破損事故である。前者は不注意や確認不足といった、「担当者の意識」に大きく左右される。しかし、後者は事前にシカケをつくることで、大幅な事故減少につながる。ここで、我々が提案して大きく改善された方法を挙げる。

 (1)パレット(特に木製パレット以外で効果大)のフォークリフトの爪の挿入口2か所に黄色のマーキングを行い、「ここに爪をさす」ことを明確にさせる。高齢作業者や夜間などの見づらさからくる商品へのつき刺し事故が防げる(2)フォークリフトの爪の長さによる事故が多いことから、フォークリフトの爪に黄色のマニキュア、いわゆる蛍光ラインや塗りつぶしをする。これにより、「これ以上刺すと爪が出過ぎる」、また、「これ以上刺さないと商品が落下する」という範囲を明確にさせる。この2つが有効である。

 しかし、商品事故の本質は最終的には作業担当者のモチベーションに尽きる。モチベーションというものはもともと、下がるのが当然である。それを、現場リーダーが朝礼などで意思統一を図る必要がある。

 特に気を配らなければならないのが、繁忙時の「集中力の途切れ」と「焦り」の払拭である。いずれも広義にはモチベーション管理である。繁忙時ほど、リーダーは頑張って「余裕」を見せなければならないし、適度な休憩が功を奏するものである。


※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

株式会社日本ロジファクトリー
青木 正一氏

青木正一 1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。

 主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。

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