第171回:無駄業務の見える化

連載トップへ

第171回:無駄業務の見える化

2009年4月 3日

 ムダな業務はイコール非効率業務であり、なくしてしまうことを前提に取り組まなければ当然、コストアップの要因となる。例えば「残業手当負担率」とは、現業職の総残業時間、早出時間から荷主にお金がもらえる残業、早出時間を引いた自社負担の残業、早出などの時間、金額の割合である。

 また、これらの残業、早出時間には荷主や納品先の都合による「待ち時間」など、荷主に対する料金転嫁が困難な場合も含まれている。このような場合は荷主からもらう料金の体系を見直すか、ドライバーの給与体系を一部歩合にするなどの措置を取らなければならない。

 次に「休車率」がある。車両1台が空車となると、駐車場に車両が休んでいることになる。これは車両の大きさにもよるが、1日8000円から1万2000円程の損失となる。各車両別の休車率が重要な数字となるが、理由としては「営業力不足」か「配車能力の低さ」か、「業務量に対して車両台数が多過ぎる」ことが挙げられる。

 今の時代、減車は恥ずかしいことではない。むしろ、利益を出せないほうが問題で、休車率が高い車両は傭車に切り替えられないか検討すべきである。例外として、大型トレーラや特殊車両のように、付加価値が高いため運賃が高く、休車率が高くても採算が合う車両は別となる。しかし、さらに利益が出せるように休車させないための仕事が欲しいものである。

 あと、事務スタッフの「多能工社員率」がある。業務には「分業化」を行うと効率が上がるようなセンター運営などの業務と、「集約化」を行うと効率が上がる事務作業がある。事務作業は、各自がそれぞれの仕事しか対応できなければ、人は増える一方である。経理スタッフでも電話応対と伝票入力作業など3つ以上の業務をこなせる、といった事務スタッフが何人いるかも少数精鋭の目安となる。


※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

株式会社日本ロジファクトリー
青木 正一氏

青木正一 1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。

 主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。

関連書籍のご案内

GoogleAD