第169回:安全管理の見える化

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第169回:安全管理の見える化

2009年3月20日

 安全管理における数値化というと「事故率」を挙げる会社が多い。ここでいう事故率は車両事故率を示す。この数値を見ていただけでは、事故防止にはならない。その兆候や事故を誘発する原因の管理が必要である。

 例えば「アルコールチェッカー実働率」。これはお察しのように、乗務する前にチェックを受けるドライバーの率であるが、100%に満たなければ徹底できていないということである。また100%となっていても、代わりのドライバーがチェッカーを使用する場合も多く、立ち会いが必要となる。

 また「点検率」も有効である。車両点検における問題個所をしっかり発見できるかどうかという数字となる。ある会社では、管理者が事前にタイヤのボルトを緩めておいたり、ブレーキランプの豆球を外しておく。そこでドライバー本人たちに自己点検を行ってもらい、事前に手を加えておいた点検個所を発見できるかを見るのだという。

 修理費も抑制しなければならないが、あまり大きく影響すると事故の発生につながることもある。そこで「修理依頼申請数」の導入をお薦めする。

 車両の不具合は、ドライバーが一番知っている。不具合情報はスムーズに吸い上げておく必要がある。ドライバーの「お金をかけられない」という意識が強いばかりに、ツルツルのタイヤでスリップ事故を起こしてしまっては元も子もない。最近はデジタコを導入している会社を多く見かけるようになったが、これも安全管理の見える化(可視化)に大きく貢献している。

 また運行日報の欄に「ヒヤリハット」の項目を加え、(1)日時(2)場所(3)天気(4)状況──の記入を義務づけて事故発生の可能性が高くなっている共通点を見つけ出す。具体的には、ドライバーが運行する道路のなかで危険地区と時間帯を絞り出し、その対応方法と注意を呼びかけることで事故を防ぐのである。


※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

株式会社日本ロジファクトリー
青木 正一氏

青木正一 1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。

 主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。

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