第168回:配車業務の見える化

連載トップへ

第168回:配車業務の見える化

2009年3月13日

 業務の可視化は、何と言っても「数字」に置きかえていくことが不可欠となる。一般的な管理指標は書物などで見ることができるので、クライアント先での現場状況にあわせた「見える化」の導入事例をお伝えする。

 まず、配車業務は2つのパターンに分かれる。前もって配車を組むことができる「計画配車」と、帰り荷やスポット対応による積載率アップのための荷付けや、当日にならなければ判明しない「随時配車」がある。

 配車業務における数値化として、1つに「配車ヒット率」がある。これは荷主や同業者からの車両手配要望数に対して、自社便・傭車を含め、どれだけの台数に「荷付け」をできたかということである。「断らない配車」をモットーとしている会社では90%台に達してくる。

 また「傭車比率」や「傭車粗利率」などもある。これは原油高や人手不足に対する「走らない物流会社」の実践と、荷主・依頼主の要望に応えるという点では傭車比率50%が1つの目安となる。

 我々のクライアント先でもおよそ50%クラスの会社が最も利益率が高い。それ以上になると取扱業者の方向となり、実運送のノウハウが空洞化する恐れがある。50%以下になると自社便主義の方向となるため、対応できない業務が増え、利益率も低下してしまう。

 そして、粗利率に対しては総平均のパーセンテージを重要視することが大切である。1便ずつ7%、10%だと決めつけてしまうと、ヒット率や傭車品質の低下につながる。これは主に2、3トン車のルート配送よりも、4、10トン・増トン車、いわゆる中・大型車の中・長距離輸送に多い傾向といえる。

 さらに配車における営業があるが、いわゆる「面通し」営業も数値化することをお薦めしたい。 もちろん基本は100%であるが、意外とできていない会社が多いことには驚かされる。


※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

株式会社日本ロジファクトリー
青木 正一氏

青木正一 1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。

 主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。

関連書籍のご案内

GoogleAD