第167回:物流会社の事務所に人はいらない(2)

連載トップへ

第167回:物流会社の事務所に人はいらない(2)

2009年3月 6日

 私のクライアント先の1つは、事務所スタッフがゼロ。電話はすべて転送され、社長か配車スタッフが対応している。配車は一応担当者が設置されているが、車に乗っているか、荷主の事務所で伝票発行などの業務を行っている。

 この会社は、そもそも配車を行っていない。各ドライバーが直接、荷主から明日の予定などを聞いて仕事をつけてくるため、求車という仕組みになっている。もし、増車や休車が発生した場合は配車担当者と電話でやり取りを行い、車両調整や休日調整を行う。したがって担当は事務所にいない。

 本来、配車は事務所で行うべきではないと私は思っている。携帯電話がこれだけ普及した中であれば、事務所外で対応可能であるし、他にやるべきことがある。1つは現場の荷姿・特徴・物量を見て配車すること。ドライバーに指示や注意点を出すことができる。

 また、もう1つ重要なこととして、配車担当者が荷主の物流担当者と会う「面通し」を行うことが挙げられる。顔を知らない者同士の配車業務があまりにも多く、十分なコミュニケーションが取れていないためのトラブルも多い。

 さらに、この会社では日報をドライバー自身が日々、パソコン入力する。そのため、請求書発行や給与計算が簡素化されている。輸配送を中心とした年商2億円の会社であるからできる「技」であろうか。いや、私はそう思わない。多くの会社でも導入できる部分がある。大切なのは、このような考え方とコスト意識である。

 センター運営などの現場でも同じようなことがある。人が足りない現場ほど人を減らすことができるし、場所がない現場ほどスペースに余裕があり、改善できる。

 これは実行してみることをせずに甘えている現場である。「少数が精鋭をつくる」、翻せば多数が精鋭になることはほとんどないと言えるであろう。


※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

株式会社日本ロジファクトリー
青木 正一氏

青木正一 1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。

 主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。

関連書籍のご案内

GoogleAD