第164回:物流会社の事業転換が急務(1)

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第164回:物流会社の事業転換が急務(1)

2009年2月13日

 すでに何度も耳にしていることだが、原油高騰、人手不足、高速代の距離制導入など、頭の痛い経営悪化要因が物流会社を脅かしている。しかし、我々物流事業者の経営状態は、景気や行政の対策不足を理由にしていても何も変わらない。今こそ自社の物流業そのものの事業内容を見直し、大きく舵を切らねばならない。キーワードは「走らない物流会社」と「輸出入荷物の獲得」である。

 輸配送を中心に経営を行ってきた会社の大半は、燃料高騰と人手不足による大打撃を受けている。保管や流通加工、そしてシステム対応というように、業務内容に幅を持たせ、「社員数=車両台数」という経営から脱しなければ継続は困難であろう。

 また、輸配送についても自社便以外に傭車の活用が重要である。具体的には、1000万円の仕事として「付加価値のある流通加工」と「その商品の入出庫業務」、そして「保管」を行い、傭車を含めた輸配送を行うこと、要するに「センター業務」である。

 重要なのは、(1)業務の幅を持たせ、(2)非正社員でこなせる業務により人件費比率を抑え、(3)は(1)(2)により荷主に付加価値を提供し、料金に反映させる、という3つのポイントである。

 我々は「いつかは・・・」「お金がない・・・」「人材がいない・・・」などと、できない理由ばかりを挙げ、それを自ら正当化してきた。もう待ったなしの事業転換が必要である。すべてを自社または自前で対応せずとも「倉庫」は借庫、「車」は傭車かネットワーク、「人手」が足りないのであればパート・アルバイトや人材派遣がある。

 また、今ではこのようなセンター業務や流通加工などで知られるようになった会社、成長した会社でも「初めは皆、素人であった」ということが肝要である。このままでは生き残れないという強い危機感の中から一歩踏み出す勇気と決断がいま求められている。


※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

株式会社日本ロジファクトリー
青木 正一氏

青木正一 1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。

 主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。

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