第163回:物流業として今年やるべきこと(4)

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第163回:物流業として今年やるべきこと(4)

2009年2月 6日

 第4回シリーズの最終回となる今回は、「経営全般」「その他」のテーマでお伝えしていきたい。

 第1回でお伝えしたように今後の物流業、特に運送業の経営環境はいっそう厳しくなる。本業である「走る」業務比率が高い会社ほど苦戦を強いられるのは、何とももどかしい限りである。

 では、どんな物流会社が生き残っていくのであろうか。将来生き残る物流会社像や条件を列挙していきたい。

(1)経営者は決算書のみならず、日々の業績や損益をチェックし、具体的な対策を現場に伝えることができる。

(2)月次損益は締め日から7日後には暫定レベルの損益がわかる。

(3)倉庫業を除く物流会社の借入金は売り上げの30%、最大で50%未満に収まっている。

(4)パートを含む社員の評価制度、人事考課制度を整備している。

(5)経営者自身、朝早く出勤し、幹部との打ち合わせや指示を実践している。

(6)会議内容が機能的になっており、「報告」会議ではなく、「対策」会議となっている。

(7)年商10億円未満の会社では最大荷主の売り上げが全体の30%以内に止まっている。

(8)運賃・料金の値上げ交渉を1勝2敗の確率で押し進めている(値上げ幅が未達でも了承が得られれば「勝ち」)。

(9)センター長、所長クラスの社内ローテーションが3〜5年周期でなされており、他の現場についても理解できている。

(10)営業と現場管理者に対する体系的、継続的教育体制が作られており、それを実践している。

(11)現場が、あいさつや5Sを徹底した「ショールーム」になっている。

(12)荷主に対する情報収集を断片的、一時的な内容とならず、定期的な物流会議などの場で相手の状況を掌握し、当方の状況も伝える場を設けている。

(13)「走る」いわゆる輸配送業務以外に、保管・流通加工・センター運営・システム業務などのサービスを提供している。

(14)現場社員、パート・アルバイトは多能工化がなされており、少数精鋭の体制ができている。

(15)荷主の要望の有無にかかわらず、現場での「生産性」と「品質」が見える現場管理指標を導入し、目標設定を行っている。

 皆さんの会社の状況に応じて、このような条件、項目はもっと増えるであろう。まずはこれら15のテーマに対して、マルが7つ以下の会社は改革を急がなければならない。


※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

株式会社日本ロジファクトリー
青木 正一氏

青木正一 1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。

 主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。

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