第162回:物流業として今年やるべきこと(3)

連載トップへ

第162回:物流業として今年やるべきこと(3)

2009年1月30日

 全4回シリーズの3回目は「教育」をお伝えする。「教育」は、この4回のなかでも最も重要な実施テーマと言える。第1回でもお伝えしたように、企業側が理想とする人材はもう採れない。そのなかで採用基準をいったん下げ、不足した能力を教育で補うという選択肢が有効である。

 「教育」については「俺の背中についてこい」のO・J・T教育は時代遅れである。「座学」「ロールプレイング」及び「ケーススタディ」、そして「他社見学」の4つの構成によるバランスある体系的な教育が必要である。

 また、教育のアフターフォローとして、組織の上下関係に当たらないインフォーマルな「世話係」、要するに評価や利害関係のない相談相手を設けることも重要である。一部の大手物流センターでは、トレーニングルームを設け、そこでピッキングなどの実地訓練を行うといった会社もある。

 大手に勝つためには、差別化のひとつとなる「教育」が重要である。資金力、知名度、採用時の人材レベルなどでは中小は大手に勝てない。

 また、どのクラスが教育を最も受けなければならないか。それはセンター長、所長「候補者」とパートリーダーである。なぜなら、すでにセンター長・所長に就任している管理職は研修対象者とはなるが、研修を受けた後、「考え」と「行動」が大きく変われるのは将来のセンター長・所長である。

 したがって、研修としての時間対効果、費用対効果も大きくなる。すでに就任している管理職は「今さらやり方を変えることはできない」とか、「今までやってきたことを否定することになる」などといったプライドが邪魔をする場合がよくある。

 また、一般のパートは意識や働く目的が多種多様であることや、「そこまでの責任は重い」とか、「ここまでやらなければお金がもらえないようなら、他の職場を考える」といった人達が、少なからず出てくる。したがって、パートはリーダークラスに絞り込む必要がある。

 やはり現場力向上のためにも、荷主獲得のためにも、「教育」は不可欠である。皆さんの会社の教育体制、プログラムの再点検をぜひともおすすめしたい。


※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

株式会社日本ロジファクトリー
青木 正一氏

青木正一 1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。

 主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。

関連書籍のご案内

GoogleAD