第158回:入荷作業が庫内業務の制度を決める

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第158回:入荷作業が庫内業務の制度を決める

2008年12月26日

 今回も倉庫運営に関する改善のポイントについて述べていきたい。庫内業務の課題として「ピッキングミス」「誤出荷」「在庫差異」などのテーマがよく挙げられる。

 多くの現場は検品、特に出荷時の検品作業を強化することで、ピッキングミスや誤出荷などをなくす努力を行っている。

 しかし、改善ポイントとして見逃してならないのは、「入荷」と「入荷検品」作業だ。私は、常々「入」を抑えれば、「出」を制することが出来ると指導している。

 実際、誤出荷や在庫差異などの原因究明を行ってみると、ピッキングミスや出庫ミスが原因と思われていたものが、実際は入庫時の段階で、すでに数量が間違っていたり、入庫すべき商品・荷物とは違うモノが入荷されたりしているケースが非常に多い。


 倉庫現場でも、入荷に対する思い込みがあり、「・・・であろう」という前提のもとで納品伝票にサインをしてしまっている。「・・・かもしれない」という意識を持たず、入荷検品に対する時間と人員、いわゆる手間がかかることを嫌い、十分な入荷検品が行っていないため、その後の作業とクライアントからのクレームに苦労することになる。

 なぜ、入荷検品が重要か。理由は大きく2つ。1つは自社が誤出荷を発生させてしまうことと同じように、入荷先もその確率に違いはあれど、間違って入荷している可能性があるということ。

 そして、もう1つが最近よく発生している原因だが、海外から輸入品を調達することによって原価を低減させる企業が増える中、倉庫にも多くの輸入品が入荷されてくること。

 特に、作業品質のレベルが日本に比べて低い、中国をはじめとしたアジア諸国からの入荷品は、荷積み方法や荷姿をはじめ、ダンボールの入り数やその中の商品が違うことが頻繁にある。

 今までとは入荷経路が変化しており、また内容物も品質が良い状態で入荷されているとは限らない。誤出荷、在庫差異が改善されない現場では、ぜひとも「入荷検品」の強化を検討していただきたい。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

株式会社日本ロジファクトリー
青木 正一氏

青木正一 1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。

 主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。

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