第156回:庫内業務改善の「6つのない」

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第156回:庫内業務改善の「6つのない」

2008年12月12日

 今回は簡単に庫内業務の改善点を発見し、実行できる「6つの『ない』」をお伝えする。

 それは、(1)持たせない(2)待たせない(3)歩かせない(4)考えさせない(5)探させない(6)書かせない──である。

 (1)は商品や荷物を、できるだけハンドリングしないということ。要するに、回数とそこで働くスタッフの「持つ」という行為に対する作業負担の軽減を意味する。

 (2)は端的に言えば「作業待ち」を作らないように、あらかじめ段取りを考えておくこと。具体的には、パート・アルバイトや派遣スタッフを早期から手配しているにもかかわらず「何もすることがない」というような状況を解消することによって、庫内コストの最大ウエートを占める人件費を抑制することである。

 (3)は「ヒトの動線」、いわゆる作業スタッフ全般にムダな動線がないかということ。最短の移動距離で最大の作業効率を求めることが、庫内の飽くなき改善である。
 


 (4)に関して説明すると、「作業」というものは一心不乱、一気呵成に進めることにより、生産性が高まる。そこに「考える」という思考が入ってしまうと当然、その生産性は落ちてしまう。例えば、棚表示は商品名でなく棚番地を設けることで、「誰もがわかる現場」になる。このようにして、作業スタッフに出来るだけ「思考させない」ということが重要である。

 (5)は(4)に関連しているが、本質は全く違う。違いは「表示」を徹底しているかという点である。(5)は簡単に言えば、「どこに何があるかがわからない」といった状況を作らないことである。そのポイントは入荷、保管、仮置きなどといった作業単位で、その作業終了時に商品や荷物が、どのような目的や特性を持っているかを常に、「表示」または「明示」させていくところにある。すべての業務が「終了」してから、この「表示」「明示」を行ってしまうために、多くの現場は「探す」というムダな行為と時間を要してしまっている。

 最後に(6)であるが、これは伝票や帳票類を「ヒトが書く」と、必ずヒューマンエラーやケアレスミスが発生してしまう。そのため、伝票発行までのプロセスで「書く」という行為は無くさなければならない。「入力」という行為も可能な限り減らさなければ、ヒトのミスによる「間違った情報」での作業はなくならない。

 この「6つの『ない』」で、皆さんの倉庫を一度チェックしてみてはいかがでしょうか。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

株式会社日本ロジファクトリー
青木 正一氏

青木正一 1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。

 主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。

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