第153回:日本シリーズと物流改善

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第153回:日本シリーズと物流改善

2008年11月21日

 日本シリーズと物流改善。一見、その両者には何の関係もないように見えるが、実は大きな共通点がある。その共通点とは、「そこに到達するまでのプロセス」である。

 周知の通り、シーズン中の戦いで、リーグ優勝チームのみならず、上位3チームに特典が与えられる。その特典にあたるクライマックスシリーズで、さらにトーナメントを行い、そこで最後に残ったチームが日本シリーズに出られる。

 これは、シーズン3位に終わってしまったチームにとってのメリットは大きい。要するに、クライマックスシリーズは「頑張った上位チームには『敗者復活戦』というチャンスが与えられる」のである。

 多くの物流現場を見ていると、クライマックスシリーズに出ることができる上位3チームにあたる「Aクラス現場」となる現場と、そうでない下位3チームの「Bクラス現場」が存在する。何がクラスを分けるかというと、 「5S」の成否である。


 整理、整頓、清掃、清潔、躾ができているか否かだ。「Aクラス現場」では、改善を進めていくプロセスでトライ&エラー、いわゆる「敗者復活戦」を行うことができるが、「Bクラス現場」はできない。トライ(挑戦)とエラー(間違い、ミス)を繰り返すだけの気力と知力がないからだ。

 「Aクラス現場」は、トライ&エラーから強烈な反省の中に教訓やルールを導き出し、日々進化し、改善の質とスピードを上げていく。更に重要な共通点がある。

 それは両方ともAクラスレベルに達すると、よほど大きな原因がない限り、短期間で崩れることはないということである。

 毎年、セ・リーグ、パ・リーグの上位3チームの顔ぶれはほとんど変わらないように、改善を突き詰めた現場では治癒力が養われ、システムトラブル、欠員などではビクともしなくなるのである。

 毎年、Aクラスに入る現場をつくりたいものですね。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

株式会社日本ロジファクトリー
青木 正一氏

青木正一 1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。

 主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。

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