第15回:全ドライバーと面談

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第15回:全ドライバーと面談

2006年5月11日

現場視察及び所長・管理者へのヒアリングを経て、改善に向けての対策を検討した。その結果、改善項目は大小合わせて50以上になった。そのなかでも、役職別の職務基準書の作成は大きなウェイトを占めた。なぜなら、特に管理職がどの業務・どの数字を管理するかを明確に示すことが、改善に向けて必要不可欠であると考えたからである。これを行うことで、管理者が事務所にいる時間を極力少なくし、実際に自分の目で現場がどのようになっているかを確認することが、管理者の重要な業務であるという認識を植え付けようと考えた。


 また、人員減のために複数の部署を管理せざるを得ない状況であったのを、基本的に一人の管理者は一つの部署を管理するようにし、人員が足りない部署については、やる気や能力が有ると判断した一般のメンバーを管理者として選抜した。これについては賛否両論あったが、『地位(役職)が人を作る』として、半ば強引に進めた。なぜなら、各管理者が「他の業務が忙しくて手が回らない」という状況を作らせなくすることで、責任の所在を明確にしようと考えたからである。
 しかし、これだけでは改善はうまく行かない。実際に改善を指導するのは所長や管理職のメンバーであるが、行うのは作業員やドライバーであるからだ。よって、彼ら(作業員やドライバー)が、なぜ改善が必要なのかを理解し、自発的に行動が取れるようにならなければならない。そのために実行したのが、全作業員及び全ドライバーとの個別面談である。その事前準備として全メンバーにアンケート用紙を配布し、現在の業務に対する希望や不満、要望事項、今後どのようにしていきたいかなどを記入してもらった。
 全てのメンバーと面談が終了するまでに約3週間がかかった。実際に現場で勤務しているメンバーが、どのような気持ちを持っているのかを確認できたことに加え、初めて話をするメンバーもおり、コミュニケーションを図るという意味においても3週間かけただけのことはあった。
 この中で確認できたことは、
(1)作業員もドライバーも管理職のメンバーとコミュニケーションを取りたいと考えてい
(2)所長や管理者のメンバーが思っていた以上に改善に対して前向きな意見が多い
(3)自分達の力で会社を立て直したいと考えているメンバーが多いのである。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

株式会社日本ロジファクトリー
青木 正一氏

青木正一 1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。

 主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。

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