第147回:物流会社の運営指標

連載トップへ

第147回:物流会社の運営指標

2008年10月10日

 自社の経営や運営数値について、適正か否かをよく聞かれる。そこで今回、それらの質問に多く出る運営数値の目安をお伝えする。

 よく聞かれるのが「傭車比率」。これはノンアセット型の3PL会社ではなく実運送を主とする会社であれば50%が目安。これ以上の傭車比率となると、配車ノウハウが蓄積されなかったり、取扱業へシフトしてしまう恐れがある。かと言って、すべて自社便で賄うことは赤字運営になったり、せっかくの受注チャンスを逃してしまう。

 また、経営者からの質問で多いのは「借り入れ額」について。理想は売り上げの30%。やや多いが、これ以上の借り入れは止めたほうが良いというレベルが売り上げの50%。それ以上の借り入れは危険水域に入ってしまう。

 また、金利は2%台で調達しなければ返済が厳しい。そのほか、教育費の目安として売り上げの2─3%。教育が熱心な会社は一時的に売り上げの5%を計上していた会社も数社あった。
 


 営業活動における経費としては、接待や会社パンフレットの作成などが多く見られるが、今はもはやホームページの質と、その情報量の多い会社に引き合いが偏っているのが実情である。

 これらにかかる広告宣伝費も、教育費同様に売り上げの2─3%確保したいところである。

 いずれにしても、経営者や管理職は運営の数値を把握し、目安を持っていなければならない。経営者、そして現場に共通して目安を持っておく必要があるのはやはり人件費であろう。

 センター運営を行っている会社は、非正社員比率を人員割合で75─90%に引き上げたい。会社全体の人件費は売り上げの50%以下に抑えなければ、赤字となることが多い。

 今後、必要となる指標は、正社員・パートそれぞれの1人あたりの採用コスト。この指標とその目安を設定すれば、採用方法や募集媒体、採用までのプロセスや面接方法などの見直しを迫られることになる。

 皆様の会社、現場では「運営の指標、目安」を持っていますか。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

株式会社日本ロジファクトリー
青木 正一氏

青木正一 1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。

 主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。

関連書籍のご案内

GoogleAD